すいぎんちゅうどく
水銀中毒
水銀が体内に入ることによって生じる中毒症状
7人の医師がチェック 79回の改訂 最終更新: 2018.03.01

Beta 水銀中毒についての医師コメント

水銀中毒の中でもやはり有機水銀が有名でしょう。水俣病、新潟水俣病はメチル水銀化合物による公害事件です。典型的な初期の症状としては、感覚の障害や小脳の症状(ふらついて歩けない、しゃべりにくいなど)、聴力障害、視野障害といったものでした。一部には劇症型というものがあり、激しい痙攣や神経症状を呈した末に死亡するという症例もあったようです。ただ、キレート剤を用いた水銀排泄治療により、症状が改善した症例も多かったようです。
この公害病で苦しんでいらっしゃる方は今でもいらっしゃり、補償に関する裁判は今でも続いているようです。そういう事実を知ると過去の病気ではないということを実感させられます。痛みに対してプレガバリンなど最近出た薬を使ってみる試みもなされているようです。
日常生活でみる水銀といえば、体温計に使われているものでしょう。これらは無機水銀です。体温計に使われている程度の量であれば、万が一破損して漏れだしたとしても大きな問題になることはないことが多いです。ただ部屋の換気は良くして、水銀は密封して捨て、気化した水銀を吸わないようにすることは必要です。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.05.29