かきょうじんつう
過強陣痛
分娩時の陣痛が過剰に強いことで、骨盤の出口に対して赤ちゃんの頭が大きい場合に多い。分娩途中で帝王切開に切り替わることがある
4人の医師がチェック 79回の改訂 最終更新: 2018.12.12

過強陣痛の基礎知識

POINT 過強陣痛とは

分娩時陣痛が過剰に強いことで、赤ちゃん(胎児)の頭が大きい場合に起こりやすいです。その他の要因としては胎児の姿勢や固い産道、子宮収縮薬の過剰な投与などです。陣痛から次の陣痛までの間隔が極端に短いことかったり、陣痛の持続時間が長かったりします。胎児と陣痛の心拍数を計ること(胎児心拍数陣痛図)で診断が行われます。陣痛を促進する薬を使っている場合は、薬の投与を中止し、使っていない場合は陣痛を押させる薬を使います。胎児と母体の状態から必要に応じて、帝王切開が行われることがあります。過強陣痛が疑われる人はかかりつつけの産婦人科を受診してください。

過強陣痛について

  • 陣痛が過剰に強いこと
    • 分娩のときに新生児を体の外に押し出すために子宮が収縮することを「陣痛」という
      • 必ずしも痛みを伴わなくても良いことに注意
    • 過強陣痛とは子宮の収縮が非常に強く、長く続く状態を指す
  • 主な原因
    • 新生児の姿勢の異常
    • 新生児の頭と母の骨盤の大きさに差がある
    • 産道(子が産まれるときに通る道)が固く抵抗が大きい
    • 精神的な興奮や自律神経の不安定さ
    • 子宮収縮薬(オキシトシン、プロスタグランジン)が過剰に投薬された影響

過強陣痛の症状

  • 強い痛みを伴う
  • 1回の陣痛から次の陣痛までの間隔が極端に短い
  • 1回の陣痛の持続時間が長い
  • 強い陣痛のために、母体の産道が傷ついたり、新生児の状態が悪くなることが多い

過強陣痛の検査・診断

  • CTG(胎児心拍数陣痛図)
    • 陣痛の状態を調べる
    • 新生児の心拍と陣痛の様子を記録したものを確認して、陣痛の経過から診断する

過強陣痛の治療法

  • 陣痛を促進する薬を使っている場合は、その薬をやめるか量を減らす
  • 強い痛みを抑えるための麻酔薬や子宮の収縮を抑える薬(塩酸リトドリン)を使う
  • 胎児の状態や産道の状態を考慮して、経腟分娩(腟からの分娩)ではなく帝王切開(お腹を切って子を取り出す)に切り替えることもある
  • 特に以下の場合は帝王切開を行うことが多い
    • 子宮破裂
    • 胎児機能不全(胎児ジストレス) 

過強陣痛のタグ

過強陣痛に関わるからだの部位