せんもう
せん妄
意識障害の一種で、程度の差はあるが一時的な混乱状態におちいってしまった状態。高齢者に起こりやすい
16人の医師がチェック 188回の改訂 最終更新: 2021.04.21

Beta せん妄についての医師コメント

病院に入院したらせん妄になった、病院のせいでは?という疑問は時折耳にします。
確かに自宅では全くなかったのに、病院に入院してすぐせん妄になる方も少なからずいらっしゃり、お気持ちはよくわかります。

では実際のところどうなのでしょうか?
大抵の場合、入院するのはそれなりの理由、すなわち病気、怪我などがあるはずです。これ単独でもせん妄のなりやすさは確実に増します。これに加えて入院という環境の変化で輪をかけてせん妄になりやすくなります。したがって入院という状況自体がすでにせん妄と密接に関わるものなのです。
せん妄を起こしにくくする手立てはいくつかありますが、残念ながらどうにもならないことはしばしばあります。程度の差はあれ、せん妄になりそうな方は事前にある程度わかりますが、それでも、ダメです(むしろそのような場合はあえて入院でなく自宅療養を提案することもあります)。よほど画期的な手段が出てこない限り、将来的にも防ぐことはかなり難しいでしょう。

せん妄を起こされたご家族の姿を見るのは辛いとは思いますし信じられないとも思いますが、上記の通り避けるのが難しいものです。「誰のせいでもない」ということはどうかご理解いただければと思います。


匿名協力医師
病気や薬の豆知識
2016.05.02

点滴の自己抜去やベッドからの転落などのリスクがある場合はミトン(いじれないように手袋)や体幹の抑制帯をつけて危険を回避することがあります。「身体拘束」と呼ばれる医療行為で、本人もしくはご家族より同意をいただいた上で、必要最低限の処置でとなるよう配慮することが必要です。
ただし、身体拘束自体が患者さんにとって不快感の強い処置であり、せん妄を助長するという悪循環もあるため、入院環境など様々な点でせん妄が起きにくくすることを、医療者とご家族とでしっかり相談する必要があります。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.02.25