しつがいけんそんしょう
膝蓋腱損傷
膝のお皿(膝蓋骨)を支えている「膝蓋腱」という腱が切れること
6人の医師がチェック 80回の改訂 最終更新: 2022.03.11

Beta 膝蓋腱損傷のQ&A

    膝蓋腱損傷の手術と手術後のリハビリテーションについて教えてください

    膝のお皿(膝蓋骨)を支えている「膝蓋腱」の損傷(膝蓋腱損傷)には、小さな断裂が見られる軽度のものから、腱が完全に切れてしまう重度のものまであります。損傷の程度によって治療法が異なり、損傷が大きいものや断裂してしまった場合は手術を行う必要があります。

    治療法は大きく分けて保存療法と手術療法の2つあります。ここでは手術療法についてご紹介します。

    ◎手術療法
    「腱移植術」「膝蓋腱再建術」は、重度の損傷や断裂してから時間が経過しており、腱が縫い合わせられない場合に行うことが多いです。

    • 膝蓋腱縫合術(切れた膝蓋腱を縫い合わせる)

    • 腱移植術(他の腱を膝蓋腱の代わりに移植する)

    • 膝蓋腱再建術(人工の腱を膝蓋腱に縫い合わせる)

    ◎手術後のリハビリ
    手術内容によってリハビリの方法が異なるため医師、理学療法士の指導のもと行います。 ここではその一例をご紹介いたします。

    • 膝の関節の周囲が固まらないようにリラクセーションする、ストレッチする(ROM訓練)

    • 膝まわりの筋力トレーニング

      • 特に膝を伸ばす筋肉の筋力低下が生じるため、訓練の許可が出次第、早期に訓練を始める(断裂の程度によって許可が出るまでの期間が変わる)
      • また負荷分散を図るためにふくらはぎや臀部、太ももの筋力強化を行う
    • 体重をかける荷重訓練

    • 歩く、しゃがむなどの動作練習

    ◎予防、再発予防
    - 運動前後に足腰のストレッチを行う

    • 運動前後に痛みがあればアイシングを行う

    • 膝まわりのテーピングやサポーターの使用

    膝関節周囲のストレッチ、特に大腿四頭筋のストレッチ(太ももの前面を伸ばす)を重点的に行います。筋肉を柔らかくすることで衝撃を吸収し、膝蓋腱に加わる負荷を軽くすることができます。

    可能であれば理学療法士に運動指導をしてもらうと良いでしょう。