Beta ロタウイルス下痢症のQ&A

いずれも口から入ることにより感染する点や冬に流行する点は似ています。ただしロタウイルス下痢症の方が下痢や発熱の期間が長く続き、1週間-2週間程度続くことがあります。

また流行のピークはノロウイルスの方が早く、11-1月にピークを迎えます。ロタウイルスの流行のピークは1-4月です。

ロタウイルス下痢症が口から入ることにより感染します。

小腸の絨毛突起というところの細胞に感染し、そこでウイルスが増殖します。すると感染した細胞が破壊されるため、小腸から炭水化物が消化・吸収できなくなり、さらに腸内から過度に水分が失われます。

また、ロタウイルスの一部は腸に対して毒として働くため、感染した細胞から水分を失わせます。

年間約80万人が感染すると言われ、日本では5歳までにほとんどのお子さんが1度は感染すると推測されています。

脱水になりやすいため、少量ずつでも水分を摂取するように注意しましょう。

また、まれですが腸重積や痙攣、脳炎、脳症といった合併症も生じることがあります。そのため、便に血液が混じる場合や、呼びかけや刺激に反応がない場合は医療機関を受診しましょう。

大変うつりやすい病気です。ごくわずかなウイルスの量でもうつります。特に感染している方の便や吐物にウイルスが含まれているため、処理される方にうつりやすいです。また咳が出ることがあり、その咳を介してうつる可能性もあります。手袋やマスクを装着し予防することが重要です。

遺伝しません。

約2日間と言われています。

学校保健安全法施行規則では「症状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」と規定されており、受診された医師の判断によります。下痢や嘔吐、発熱が治癒することを目安にする医師が多いようです。発症すると登園まで約1週間かかることが多いです。

発熱、嘔吐、下痢で発症します。水のような下痢が3-7日間続きます。体の免疫によりウイルスが追い払われ、また感染により傷んだ腸が回復するのを待ちます。回復するまでは下痢や軟便、食欲不振が続くことがあります。

半数ほどのお子さんに咳が見られます。まれですが合併症に伴い血便や痙攣、発疹、意識混濁などが見られることがあります。

嘔吐、下痢、高熱が続き、ぐったりして動けなくなります。また尿が少なくなったり、顔色が悪くなったりもします。

周囲の流行状況を考えた上で、便の検査で診断します。便の検査は医療機関で便を提出し、迅速検査キットを用いるので、その場で陽性・陰性がわかります。検査体制にもよりますが、15-30分ほどで結果が判明します。

その他の食中毒などとの区別が必要な場合は、地域の保健所に便検査を依頼することがあります。

ノロウイルスなど他のウイルス性の腸炎や、細菌性の腸炎などは紛らわしく、お子さんによっては最後まで区別できないことがあります。ただそれらの腸炎でも治療法が大きく変わることは少ないため、区別できないままに治ることもよくあります。

ロタウイルス下痢症そのものに対する治療薬はありません。もっとも重要なことは適切な水分補給を続け、脱水にならないようにすることです。

傷んだ腸内の環境を早く改善するために整腸剤を内服することがあります。下痢止めはロタウイルス下痢症の毒となる成分を長く腸内にとどめてしまう可能性があるため、原則使いません。

ロタウイルス下痢症そのものに対する治療薬はありません。

上記のように飲み続ける薬はありません。症状がなくなれば終了します。

入院が必要なお子さんは外来を受診されるお子さんのうち15人に1人程度と言われています。またロタウイルス下痢症の予防接種を接種することでひどい下痢が予防され、入院はほぼ避けられるとされています。

いいえ、ロタウイルス下痢症は繰り返し感染することがあります。ただし、感染することで免疫がつくため、感染を繰り返すごとに症状は軽くなることが多いです。そのため年長になるほど軽い症状で済み、検査をしないことも増えるため、ロタウイルスに再度かかったことがわからないこともあります。

再度ロタウイルス下痢症をもらわないように日常生活で気を付ければ予防することも可能でしょう。

完治する病気です。合併症を起こさなければ後遺症は残しません。