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肩こりから頭痛に?緊張型頭痛の特徴と対策

緊張型頭痛は肩や首がこっている人に多い頭痛です。緊張型頭痛の特徴や、肩こりとの関係について説明します。

1. 緊張型頭痛の特徴

緊張型頭痛は肩や首がこっている人に多い頭痛です。典型的には、

  • 頭の両側が痛い
  • 締め付けられるような痛さ
  • 片頭痛ほど痛くないので、日常生活(家事や仕事)はできる
  • 吐き気や嘔吐はない

といった特徴があります。片頭痛や群発頭痛では痛さのあまり何もできなくなってしまうのに比べると、緊張型頭痛はそれほど痛みは強くないことが多いです。

2. 肩こりで発生する「トリガーポイント」とは?

緊張型頭痛では、肩こりだけでなく、頭や首、肩の筋肉を指で押したときに、ある部分だけがとても敏感で強く痛むことが多いです。少し押しただけで飛び上がるほど痛かったり、その部分とは離れた場所に痛みが響いたり、強い頭痛が生じたりします。そのような点を「トリガーポイント」と言います。

診察でトリガーポイントが見つかったときは、緊張型頭痛の可能性がより高いと考えられます。

ペインクリニックや頭痛外来では、トリガーポイントに対して、痛み止めの注射を行っているところもあります。

トリガーポイントはなぜできる?

トリガーポイントができる理由は、肩こりのような筋肉の緊張が長い時間続くことと考えられています。筋肉が緊張して血の巡りが悪くなると、痛みや炎症が起こります。すると痛みによってさらに筋肉がこわばるという悪循環が起こります。このことによって特定の部分でだけ筋肉のダメージがたまり、その部分が局所的に硬くなってしまいます(筋肉が硬いという意味で筋硬結とも言います)。これがトリガーポイントになるのです。
 

3. 緊張型頭痛の診断基準

頭痛で診察を受けると、次の基準を満たしたときに緊張型頭痛と診断されます。肩こりは診断基準には入っていませんが、緊張型頭痛を強く疑わせる特徴として診断のヒントになります。

A. 頭痛は30分から7日間持続する

B. 頭痛は以下の項目を少なくとも2項目を満たす

  •  両側性
  •  性状は圧迫感または締め付け感(非拍動性)
  •  強さは軽度〜中等度
  •  歩行や階段昇降のような日常的な動作により増悪しない

C. 以下の両方を満たす

  •  悪心や嘔吐はない(食欲不振を伴うことはある)
  •  光過敏や音過敏はあってもどちらか一方のみ

D. ほかに最適な診断がない

(『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』をもとに作成)

4. 緊張型頭痛には肩こりをほぐそう

緊張型頭痛がある人は、軽い運動やストレッチ、入浴、飲酒で筋肉の血流が良くなり、筋肉が緩んでくると、痛みが和らぐことが多いです。

肩こりをほぐすことも緊張型頭痛の治療と再発予防のために大切です。肩こりをほぐして頭痛を防ぐ頭痛体操について「頭痛体操とストレッチ」で詳しく解説しています。

5. 緊張型頭痛と肩こりとうつ病の関係とは?

緊張型頭痛の人の中には、うつ病やうつ症状を同時に持っている人もいます。実は緊張型頭痛は肩こりだけが原因ではなく、脳を含む痛みのメカニズムが関係していると考えられています。その痛みのメカニズムにうつが関係している可能性があります。

緊張型頭痛に悩まされている人で、うつ病について心配なことがあれば、精神科や心療内科を受診して、診断、治療を受けるのをお勧めします。