処方薬
ファムシクロビル錠500mg「日本臓器」
後発

ファムシクロビル錠500mg「日本臓器」の添付文書

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効果・効能

帯状疱疹。

用法・用量

帯状疱疹:ファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

  1. 腎機能障害患者:腎機能障害のある患者では投与間隔をあけて減量することが望ましく、腎機能に応じた本剤の投与量及び投与間隔の目安は次のとおりである[腎機能に応じた本剤の減量の目安(外国人における成績をもとに設定した):クレアチニンクリアランス≧60mL/分:1回500mgを1日3回、クレアチニンクリアランス40-59mL/分:1回500mgを1日2回、クレアチニンクリアランス20-39mL/分:1回500mgを1日1回、クレアチニンクリアランス(20mL/分:1回250mgを1日1回]。

  2. 血液透析患者:血液透析患者には本剤250mgを透析直後に投与する(なお、次回透析前に追加投与は行わない)。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. 精神神経症状:錯乱、幻覚、意識消失、痙攣、譫妄、脳症などが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。錯乱は主に高齢者で現れることが報告されている。
    2. 重篤な皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑等の重篤な皮膚反応が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
    3. 急性腎障害:急性腎障害が現れることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    4. 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    5. ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. 重大な副作用(類薬):類薬で、次の副作用が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

    1. 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病。
    2. 精神神経症状:意識障害(昏睡)、妄想、てんかん発作、麻痺等。
    3. 呼吸抑制、無呼吸。
    4. 間質性肺炎。
    5. 肝炎、肝機能障害、黄疸。
    6. 急性膵炎。
  3. その他の副作用:次のような症状が現れることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。

    1. 精神神経系:(頻度不明)頭痛、傾眠、眩暈、鎮静、失見当識、意識障害。
    2. 腎臓:(頻度不明)尿中蛋白陽性、BUN増加、尿中血陽性、尿失禁、血中クレアチニン増加、尿円柱、尿中白血球、尿中赤血球。
    3. 血液:(頻度不明)白血球数増加、白血球数減少、赤血球数減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、好酸球増加、血小板数増加、血小板減少症、好中球減少、好中球増加、単球増加、リンパ球増加、リンパ球減少、ヘマトクリット増加。
    4. 肝臓:(頻度不明)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、LDH増加、尿中ウロビリノーゲン増加、γ-GTP増加、Al-P増加、黄疸。
    5. 消化器:(頻度不明)下痢、悪心、腹部不快感、腹痛、口渇、嘔吐、口唇乾燥、胃炎、白色便、便秘、口内炎、食欲減退。
    6. 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒症[このような症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
    7. 皮膚:(頻度不明)白血球破砕性血管炎[このような症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
    8. 循環器:(頻度不明)高血圧、動悸。
    9. その他:(頻度不明)CK増加(CPK増加)、血中カリウム増加、倦怠感、発熱、尿糖陽性、浮腫、総蛋白減少、咳嗽、異常感、筋力低下、CK減少(CPK減少)、口腔咽頭痛、胸部不快感。

使用上の注意

(禁忌)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 腎機能障害のある患者[腎クリアランスの低下に伴い、高い血中濃度が持続する恐れがあるので、投与間隔をあけて減量するなど注意する]。

  2. 高齢者。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始する。なお、目安として、帯状疱疹の治療においては皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。

  2. 本剤は、原則として帯状疱疹の治療においては7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替える。

  3. 本剤は、免疫機能低下(造血幹細胞移植、臓器移植、HIV感染による)を伴う患者に対する有効性及び安全性は確立していない。

  4. 意識障害等が現れることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明する。

(相互作用)

併用注意:プロベネシド[プロベネシドと併用した場合、本剤の活性代謝物であるペンシクロビルは排泄が抑制され、ペンシクロビルの血漿中濃度半減期の延長及び血漿中濃度曲線下面積が増加する恐れがある(本剤の活性代謝物であるペンシクロビルは主として腎臓の尿細管分泌により排泄されることから、プロベネシドによりペンシクロビルの排泄が抑制される可能性がある)]。

(高齢者への投与)

本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続する恐れがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 授乳婦に対しては、本剤投与中は授乳を避けさせる[動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対しては使用経験がなく、小児に対しては使用経験が少ない)。

(過量投与)

ファムシクロビルの過量投与に関する情報は少ない。過量投与した場合には、適宜、対症療法及び支持療法を行う。過量投与時、腎機能低下の程度に応じ適切な減量を行わなかった腎機能障害患者において、急性腎障害が報告されている。なお、過量投与時、活性代謝物であるペンシクロビル(血漿中では大部分がペンシクロビルとして存在する)は透析可能であり、4時間の血液透析により血漿中濃度は約75%減少する。

(適用上の注意)

  1. 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

  2. 服用時:本剤は主薬の苦味を防ぐため、コーティングを施しているので、錠剤をつぶすことなく服用させる。

(その他の注意)

  1. ラット及びイヌにそれぞれ10週間、6カ月間経口投与した結果、ラットでは500mg/kg/日以上の投与で、イヌでは150mg/kg/日以上の投与で、精子濃度低下、精巣重量減少・精巣萎縮が認められた。また、ヒトにおいて行われた、1回250mg1日2回18週間反復投与試験では、精子に対する影響は認められていない。

  2. ラット及びマウスに2年間経口投与した結果、600mg/kg/日投与で雌ラットに乳腺腺がんの出現率の増加がみられた。

  3. ペンシクロビルは、マウスリンパ腫培養細胞を用いた試験で、1000μg/mL以上で染色体異常の頻度を有意に増加させ、ヒトリンパ球を用いた試験では、250μg/mL以上で染色体異常の頻度を増加させた。また、マウスの小核試験では、骨髄毒性を示す500mg/kg以上を静脈内投与したときに、小核を有する多染性赤血球の出現率を増加させた。

(取扱い上の注意)

  1. アルミピロー開封後、遮光。本剤は光により変色することがある(変色したものは使用しない)。

  2. 安定性試験:25℃、相対湿度60%の長期保存試験36カ月の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。