ゴナックス皮下注用120mgの添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
前立腺癌。
用法・用量
デガレリクスとして、初回は240mgを1カ所あたり120mgずつ腹部2カ所に皮下投与する。2回目以降は、初回投与4週間後より、デガレリクスとして80mgを維持用量とし、腹部1カ所に皮下投与し、4週間間隔で投与を繰り返す。
初回投与:1カ所あたり、本剤120mgバイアルに日本薬局方注射用水3.0mLを注入し、溶解後速やかに3.0mLを皮下投与する(3.0mLで溶解することにより、40mg/mLとなる)。
2回目以降:本剤80mgバイアルに日本薬局方注射用水4.2mLを注入し、溶解後速やかに4.0mLを皮下投与する(4.2mLで溶解することにより、20mg/mLとなる)。
(用法・用量に関連する使用上の注意)
本剤は投与液濃度、投与量が有効性に影響するため、調製方法を遵守し、初回投与時は120mgバイアル2本、2回目以降の投与時は80mgバイアル1本を使用する。
副作用
国内臨床試験の安全性評価症例数273例中、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は228例(83.5%)であり、主なものは注射部位疼痛(34.4%)、注射部位硬結(33.7%)、注射部位紅斑(32.2%)、ほてり(27.8%)、体重増加(15.4%)、発熱(11.7%)、注射部位腫脹(11.0%)、高血圧(7.0%)、注射部位熱感(5.1%)であった(承認時:2012年6月)。
重大な副作用
- 間質性肺疾患(0.7%):間質性肺炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- 肝機能障害(0.4%):ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、γ-GTP増加等の肝機能障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- 糖尿病増悪(0.4%):糖尿病増悪が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
- 心不全(頻度不明):心不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 血栓塞栓症(頻度不明):心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
その他の副作用
- 注射部位:(5%以上)疼痛、硬結、紅斑、腫脹、熱感、(5%未満)そう痒感、血腫、結節、(頻度不明)炎症、膿瘍、蜂巣炎。
- 血液:(5%未満)ヘモグロビン減少、貧血、白血球数減少、血小板減少症。
- 心臓:(5%未満)心室性期外収縮、心電図QT延長。
- 消化器:(5%未満)便秘、胃炎、悪心、歯周炎、嘔吐。
- 肝臓:(5%未満)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、脂肪肝、γ-GTP増加、Al-P増加。
- 感染症:(5%未満)CRP増加、鼻咽頭炎。
- 代謝:(5%未満)高脂血症、食欲減退、血中コレステロール増加。
- 筋骨格系:(5%未満)筋力低下、関節痛、頚部痛、背部痛、四肢痛、筋骨格硬直。
- 良性、悪性及び詳細不明の新生物:(5%未満)脂肪腫。
- 精神神経系:(5%未満)脳出血、神経痛、不眠症、(頻度不明)頭痛、浮動性眩暈。
- 泌尿器:(5%未満)夜間頻尿、排尿困難、血中尿素増加。
- 生殖系及び乳房:(5%未満)勃起不全、女性化乳房、(頻度不明)精巣萎縮。
- 呼吸器:(5%未満)湿性咳嗽。
- 皮膚:(5%未満)多汗症、皮下出血、皮膚そう痒症、発疹、(頻度不明)血管浮腫。
- 血管:(5%以上)ほてり、高血圧、(5%未満)潮紅。
- その他:(5%以上)体重増加、発熱、(5%未満)倦怠感、疲労、末梢性浮腫、体重減少、(頻度不明)無力症、悪寒。
使用上の注意
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
間質性肺疾患又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患が発現又は増悪する可能性がある]。
(重要な基本的注意)
本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用する。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(適用上の注意)
投与経路:皮下注射にのみ使用する[本剤は生体内成分と触れることによりゲル化することから、静脈注射により血栓症を誘発する恐れがある]。
調製時:
- 投与液濃度、投与量が有効性に影響するため、溶け残りがなく、溶液が透明な状態になるまで溶解し、規定する量を抜き取るよう注意する。
- 溶解後速やかに投与する[本剤を調製後1時間以上放置すると、注射液が懸濁又は粘度を増すことがあり、その結果、薬物の放出能に影響を及ぼす恐れがある]。
投与時:
- 腹部に皮下注射を行う。
- 注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わない。
- 注射部位はベルト周り等圧迫される部位及び肋骨近辺を避ける。
- 注射針が血管内に入っていないことを確認する。
- 注射部位周辺をもまないように患者に指導する。
(その他の注意)
血清テストステロン値の低下とQT延長及び心血管事象の発現に相関があることが、報告されている。
本剤を1年間投与した国内臨床試験において、273例中57例(20.9%)で本剤に対する結合抗体産生が認められている。