けっせいびょう
血清病
動物由来の血清(血液の一部)を使用した時に起こる、アレルギー反応の一種
3人の医師がチェック 55回の改訂 最終更新: 2018.02.15

血清病の基礎知識

POINT 血清病とは

動物由来の血清(血液の一部)をヒトの体に投与した時に起こるアレルギー反応です。動物由来の血清は破傷風やジフテリア、蛇毒などの治療や、血液疾患の治療などに用いられます。動物由来の血清タンパク質はヒトの体にとって異物であるため、投与するとアレルギー反応が起こります。血清を投与されてから数日から数週間で発熱、だるさ、関節痛、筋肉痛、皮疹などを自覚します。自然軽快することが多いですが、良くならない場合にはステロイドによる治療を行います。血清病が心配な方や治療したい方は、血清製剤による治療を受けた医療機関にまず相談してください。何らかの理由で相談出来ない場合には、一般内科や血液内科を受診してください。

血清病について

  • ジフテリア破傷風などの治療に動物由来の血清を使用した時に起こる、アレルギー反応のこと
  • 再生不良性貧血などの治療で用いるATG(抗胸腺細胞グロブリン)もウマ由来のタンパク質であり、血清病を起こすこと多い
  • 動物の血清はヒトの体では異物として認識されるため、投与すると血清の蛋白質に対して抗体が生成される
  • その血清の蛋白質と抗体がくっつくことで複合体をつくり、その複合体が全身に沈着することで起こる

血清病の症状

  • 症状は通常は数日~数週間ほど経ってから現れることが多い
    • 血清製剤投与直後から翌日くらいに起きる即時型アレルギーとは原因が異なる
  • 典型的な症状、病態

血清病の検査・診断

  • 診断に至るための特定の検査はなく、主に病歴から診断される
  • 血清病以外の病気でないことを確認する目的で採血や画像検査(レントゲンCT検査など)は通常行われるが、血清病を直接診断するためのものではない

血清病の治療法

  • 症状は自然に消失することが多い
    • 必要に応じて皮膚のかゆみなどに対しての対症療法を行う
  • 症状が強い場合はステロイド薬を使用する

血清病のタグ

血清病に関わるからだの部位