のかるじあしょう
ノカルジア症
ノカルジアという病原菌による感染症。皮膚・肺・脳などに病変を起こす
2人の医師がチェック 49回の改訂 最終更新: 2022.03.07

ノカルジア症の基礎知識

POINT ノカルジア症とは

ノカルジアの感染による病気です。免疫不全(ステロイドの長期使用、抗がん剤、エイズ、COPDなど)の人にノカルジア症が起こりやすく、多くは皮膚・肺・脳で感染が起こります。主な症状は皮膚に現れる結節・咳・痰・呼吸困難感・しびれ・意識障害などです。 CT検査などの画像検査でノカルジア症を疑い、細菌検査でノカルジアを見つけることにより診断します。治療には抗菌薬を長期に渡って用います。ノカルジア症が心配な人や治療したい人は、感染症内科や呼吸器内科を受診して下さい。

ノカルジア症について

  • ノカルジアという病原菌による感染症で、皮膚・肺・脳などに病変が起こる病気
    • ノカルジアを吸い込む、食べてしまう、皮膚の傷が直接触れる、ことなどが原因
    • ノカルジアは主に土の中や、腐食した植物などに存在している
    • 眼や骨などに病変ができることもある
    • Nocardia farcinicaというタイプのノカルジアは特に脳に病変を作りやすい
  • 高齢者や免疫力が低下している人に感染しやすい
    • ステロイドを長期的に飲んでいる人
    • 抗癌剤を使用している人
    • エイズの人
    • 臓器移植をした人
    • COPDのある人
    • 糖尿病の人 など

ノカルジア症の症状

  • 主な症状
    • 足の皮膚の下のしこり、の溜まり
    • 全身に赤いぽつぽつ(結節)を作る
    • 咳や痰、呼吸苦が生じる
    • しびれ
    • 意識障害

ノカルジア症の検査・診断

  • 胸部レントゲンX線)検査、胸部CT検査
    • 肺の異常の有無を診断する
    • これだけでノカルジア症の診断はできない
  • 頭部CT検査頭部MRI検査
    • ノカルジアは脳に病変を作りやすいので、脳病変に注意して検査する必要がある
  • 細菌検査
    • や痰を採取して培養したり、顕微鏡で観察して原因菌を診断する
    • ノカルジアは検出・培養が難しいので、診断に難渋することも多い

ノカルジア症の治療法

  • 基本的にはノカルジア症の診断がつき次第、治療開始が必要である
  • 抗菌薬の使用
    • ST合剤、カルバペネム、アミノグリコシド、ミニサイクリン、ペニシリン、ニューキノロンなど
    • 重症であれば多剤を併用して治療を開始することが多い
    • 少なくとも数ヶ月の継続した治療が必要
    • 完治後もST合剤などを予防的に内服することが多い
  • 場合によっては病変を切除する処置が必要な場合もある

ノカルジア症のタグ

ノカルジア症に関わるからだの部位