ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきんかんせんしょう
腸管出血性大腸菌感染症
「ベロ毒素」という毒素を産生する大腸菌の感染症。ベロ毒素は腸や腎臓の細胞にダメージを与え下痢、血便、腎不全など起こす
4人の医師がチェック 135回の改訂 最終更新: 2023.03.13

Beta 腸管出血性大腸菌感染症についての医師コメント

感染力が強く、溶血性尿毒症症候群など非常に重篤な合併症もあり、食中毒の中でも非常に厄介なものです。基本的には牛の糞に汚染されたものから感染します。熱に弱いので、肉などは加熱すれば問題ありません。特にハンバーグなどひき肉を使った料理は中までしっかり加熱しましょう。ですが、サラダなど生で食べる食品から感染することもあります。肉を切った包丁でそのまま野菜を切るなど、生の肉を触ったもので他の食材に触れないようにすることが重要です。感染してしまうと根本的な治療法はなく、重篤な合併症を起こさないようにする方法も今のところありません。とにかく予防が必須です。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.04.25

2014年夏に静岡の花火大会で、屋台の冷やしきゅうりを食べた大勢の人がO157に感染しました。何人か診察しましたが、来院した人は全員激しい腹痛、下痢、血便のため大変苦しそうでした。ただ、それで済めばよい方で、中には溶血性尿毒症症候群を発症してしまい、緊急で透析をまわさなければならないような方もいらっしゃいました。亡くなった方がいなかったのは不幸中の幸いです。冷やしきゅうりが怖い、というのではなく屋台の不衛生な管理が問題でした。屋台の中には衛生管理を怠っているものもあるようで、衛生管理の進んだ日本とはいえ注意が必要なのかもしれません。


匿名協力医師
実際の治療例
2015.04.25