ちょうかんゆちゃくしょう
腸管癒着症
お腹の中で腸管が周りの組織(腸や腹膜など)とくっついた状態。腸閉塞の原因となることがある
3人の医師がチェック 33回の改訂 最終更新: 2022.04.06

腸管癒着症の基礎知識

POINT 腸管癒着症とは

お腹の中で腸と腸または腸と他の臓器(胆嚢や肝臓など)がくっついてしまった状態のことです。程度が重い人では腸閉塞を起こすことがあります。症状が出ないこともありますが、腸閉塞を起こすと腹痛やお腹の張り、吐き気などの症状が現れます。腸管癒着が疑われる人にはレントゲン検査やCT検査が行われて、腸の状態が確認されます。症状がないまたは軽い人では治療は不要ですが、腸閉塞を繰り返す人は治療が必要となります。手術によって腸の癒着を剥がすことも検討しますが、治療による利益と不利益を踏まえて判断されます。腸管癒着症が疑われる人は主に消化器外科で診療が行われます。

腸管癒着症について

  • お腹の中で腸が他の腸や周りの組織(腹膜など)とくっついた状態
    • 手術や腹膜炎などの炎症が原因で腸が周囲の臓器(腸管、腸間膜、腹膜など)とくっつく(癒着する)
    • 腸がねじれたりすることで食べ物の通り道が狭くなり、食べ物の通りが悪くなると腸閉塞を起こす
  • 主な原因:お腹の中の炎症
    • 腹部手術:腹部の手術後には、ほとんどの場合で腸管癒着が起こる
    • その他、腹膜炎子宮内膜症、外傷などによって起こることもある

腸管癒着症の症状

  • 腸管癒着症だけでは症状は起こらず、腸閉塞が起こると症状が出る
  • 腸閉塞の主な症状
    • 腹痛
    • お腹の張り
    • 吐き気(悪心)
    • 嘔吐
    • その他

腸管癒着症の検査・診断

  • 過去の腹部手術歴や腹膜炎の既往などが重要な情報となる
  • 画像検査:腸閉塞の症状が出ている時に診断目的で行う
    • 腹部単純レントゲン検査X線写真)
    • 腹部CT検査

腸管癒着症の治療法

  • 症状が出なければ治療は不要
  • なるべく保存的治療を行うが、不可能な場合は手術によりくっついた腸管を剥がす(腸管剥離術)
    • ただし、腸管剥離術も腹部の手術であり腸管癒着症の原因となるため、手術はよく検討して行う

腸管癒着症のタグ

腸管癒着症に関わるからだの部位