しゅうせいだいけっかんてんいしょう
修正大血管転位症
肺動脈が右室ではなく左室から、大動脈が左室ではなく右室から入れ替わって出るという、生まれつきの心臓の構造の病気の一つ
7人の医師がチェック 99回の改訂 最終更新: 2019.10.04

修正大血管転位症の基礎知識

POINT 修正大血管転位症とは

肺動脈が左心室から、大動脈が右心室から出る病気です。右心房と左心室、左心室と右心室がつなっている点が完全大血管転位症と異なります(完全大血管転位症では右心房と右心室、左心房と左心室がつながっている)。先天性心疾患のうち約1%を占め、男児に多いとされています。心室中隔欠損(左心室と右心室の間の仕切りに穴があること)や肺動脈狭窄をともなうことが多いです。主な症状は息切れや動悸、浮腫みなどです。疑われた人には心臓超音波検査や心臓カテーテル検査が行われます。 治療は主に手術で、血管の位置を正常に近い状態に作り変えます。修正大血管転位症は心臓の病気が専門の小児科や心臓血管外科などで検査や治療が行われます。

修正大血管転位症について

  • 生まれつき心臓の構造に異常がある病気の1つ
  • 肺動脈右心室ではなく左心室から、大動脈が左心室ではなく右心室から入れ替わって出ている
    • 完全大血管転位症と違い、左心室が右側にあって右心房とつながり、右心室が左側にあって左心房とつながっている
      • 左心室と右心室は壁の構造が違うので位置とは関係なく区別される
  • 血流のたどる道のりが変わってしまう
    • 正常な場合
      • 右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈
    • 修正大血管転位症
      • 右心房→「左心室」→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→「右心室」→大動脈
  • 先天性心疾患のうちおよそ1%を占める
    • 男児に多い
  • 以下の疾患がよく合併する

修正大血管転位症の症状

  • 息切れ
  • 動悸
  • 浮腫

修正大血管転位症の検査・診断

  • 心臓の動きや大きさなどを調べる
    • 心電図検査
    • 心臓超音波検査
      • 心臓の動きや構造、内腔圧などを測定する
  • 必要に応じて心臓カテーテル検査でより詳しい検査を行う

修正大血管転位症の治療法

  • 心室中隔欠損や肺動脈閉鎖・肺動脈狭窄を合併していることが多い
  • 肺動脈閉鎖や肺動脈狭窄を合併している場合は、乳児期にBTシャントという手術を行って肺血流を増やす
  • 外科治療としては、解剖学的右室をそのまま体を支える循環に使用する手術(生理学的修復)と、解剖学的左室を体を支える循環に使用する手術(解剖学的修復、ダブルスイッチ手術)があり、個々の解剖学的特徴などによって手術方針を決定する

修正大血管転位症が含まれる病気

修正大血管転位症のタグ

修正大血管転位症に関わるからだの部位