しんせいじかんえん
新生児肝炎
新生児に起きる肝炎。胆汁(消化液の一種)の流れが悪くなることや、細菌感染などが原因となる
6人の医師がチェック 73回の改訂 最終更新: 2020.04.11

新生児肝炎の基礎知識

POINT 新生児肝炎とは

生まれたての新生児に起こる肝炎(肝臓に炎症が起こる病気の総称)のことです。出生5000−10000人に1人の割合で起こると言われています。原因としては、胆道閉鎖症(生まれつき胆汁が流れる道が閉鎖している病気)・感染症・内分泌疾患などが挙げられます。新生児肝炎の子どもには、体重増加不良・黄疸・肝腫大・灰白色便などの症状が見られます。これらの症状が見られる場合、近くの医療機関にかかるようにして下さい。検査や治療や専門的なことを行いますので、小児科や消化器内科をおすすめします。

新生児肝炎について

  • 新生児に起きる肝炎で、原因が不明のもの
  • 新生児期〜乳児早期で発症する
  • 胆汁(消化液の一種)の流れが悪くなって黄疸が出たり、肝障害が生じて肝臓の機能が低下する
  • 出生5000-10,000人に1人程度の割合で起こる
  • かつて原因不明で「新生児肝炎」と診断されていた人の中に種々の遺伝性・代謝性疾患が隠れていたと考えられ、最近の診断技術の向上により、原因不明の「新生児肝炎」の割合は減少している
  • 以下に挙げるような、胆汁の流れが悪くなる他の疾患でないことを確認するのが大切

新生児肝炎の症状

  • 生後2か月以内に黄疸、肝腫大、クリーム色の便がみられる
  • 体重が増えない

新生児肝炎の検査・診断

  • 血液検査:肝機能などを調べる
  • 手術が必要な胆道閉鎖症を否定することが大切
    • 肝胆道排泄シンチグラフィ
    • 腹部超音波検査
  • 必要があれば、原因検索のために肝生検を行う(肝臓の組織を一部とって検査する)

新生児肝炎の治療法

  • 栄養管理、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の補充、胆汁の排泄促進剤の使用
  • 長期的な経過
    • 新生児の多くでは、生後3~6か月以内に黄疸が改善する
    • 1歳になる頃には肝臓の機能は回復する
  • 肝硬変、肝不全に進行した場合は肝移植が検討される

新生児肝炎のタグ

新生児肝炎に関わるからだの部位