ばくりゅうしゅ
麦粒腫(ものもらい)
一般的に「ものもらい」と言われている病気。感染などの理由によって、まつ毛が生えている部分が腫れる
7人の医師がチェック 117回の改訂 最終更新: 2019.09.25

麦粒腫(ものもらい)の症状について

麦粒腫(ものもらい)になると、炎症が起きてまぶたに痛みや違和感を覚えたり、一部が赤く腫れたりする症状が現れます。悪化するとまぶた全体に症状が広がってが溜まったりします。このページでは麦粒腫の症状について詳しく説明します。

1. 麦粒腫(ものもらい)によくある症状

麦粒腫(ものもらい)の症状

麦粒腫はまぶたの分泌腺に細菌が感染した状態です。感染した部分に炎症が起きて、腫れや痛みが現れます。

【麦粒腫でよくある症状】

  • 目の違和感・かゆみ
  • まぶたの腫れ
  • まぶたの痛み
  • 目やに
  • 目の充血
  • 膿(うみ

一つひとつ症状について説明します。

目の違和感・かゆみ

「スッキリしない」「ゴロゴロする」と表現されるような違和感が目に生じます。麦粒腫ではまぶたの縁や裏側にしこりができて、まばたきをする時に眼球に当たって異物感が生じることもあります。また、かゆみが生じることもあります。

まぶたの腫れ

感染を起こした部分が炎症を起こしてまぶたの一部が腫れます。炎症が強くなるとまぶた全体が赤みをおびたり、腫れが強くなったりします。また、腫れが強くなると目を開けにくくなることがあります。

まぶたの痛み

麦粒腫ではまぶたに炎症が起きて、腫れている部分に痛みを感じます。痛みは触らなくてもありますが、腫れている部分を押すとさらに痛みは強くなります。

目やに

目やには目からの分泌物や目に入った異物などが混じってできたものです。麦粒腫では分泌腺に感染した細菌の影響で目やにが増えることがあります。朝起きた時に目やにが気になることがあると思いますが、目に少しつく程度の量は正常なので放置しても問題ありません。

目の充血

感染やアレルギーなどが原因で目の表面にある血管が拡張して充血が起こります。また、まぶたの裏(眼瞼結膜がんけんけつまく)に炎症が起こることで、周りにも炎症が広がって赤くなります。

膿(うみ)

麦粒腫では感染した分泌腺に膿がたまることがあります。まぶたの裏の部分(眼瞼結膜)から透けて見える部分は膿点(のうてん)と呼ばれ、膿点があるタイプの麦粒腫では、数日たつと膿点がはっきりしてきて、その後に自然に破れて膿が出て治ることが多いです。

2. 麦粒腫(ものもらい)が悪化すると出てきやすい症状

麦粒腫を放置しても多くの場合は自然に治ります。しかし、なかには悪化することがあります。悪化した場合は次のような症状がみられます。

膿瘍(のうよう)

麦粒腫が悪化して炎症が広がると、膿点ではなくもっと大量の膿がまぶた全体にたまることがあります。膿がたくさんたまった状態を「膿瘍(のうよう)」と呼び、まぶたにできた膿瘍を眼瞼膿瘍とよびます。眼瞼膿瘍になった人には、膿瘍の皮膚を少し切って膿を出す(切開排膿:せっかいはいのう)処置や、点滴での抗生物質抗菌薬)の治療が必要になることが多いです。

目の周りの強い腫れや赤み

麦粒腫が悪化すると、まぶた全体や目の周りにも赤みや腫れが起こることがあります。周りの皮膚や皮下組織にも炎症が広がると眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)になります。さらに膿がたまると眼瞼膿瘍(がんけんのうよう)になります。

頭痛

炎症が広がって眼窩蜂窩織炎や眼瞼膿瘍になると、腫れてまぶたが開けにくくなり、目の周囲の痛みが強くなります。このような目の周囲の痛みを頭痛として感じることがあります。