2016.03.09 | ニュース

肥満の人は緊急手術後に問題が起こることが多い?

111人のデータを検証

from Canadian journal of surgery. Journal canadien de chirurgie

肥満の人は緊急手術後に問題が起こることが多い?の写真

高度の肥満体型の人は病気の治療中にも注意が必要になります。緊急手術を受けた肥満患者を対象に、手術後に問題が起こったか調べられました。

◆肥満だと緊急手術後に問題が起こることが多い?

研究班は、2009年1月から2011年12月までに、ある大学病院で緊急手術を行った患者のプロフィールから、重度の肥満である患者のデータを集めました。BMI(体重÷身長の2乗、22前後が標準的)を基準に、BMI35以上の人を対象としました。緊急手術後にICU(集中治療室)においての治療が必要であったか、再手術が必要だったか、また、手術後に問題が起こったかなどが調べられました。

 

◆肥満患者は緊急手術後に再手術が必要になる場合が多い

次の結果が得られました。

40%の肥満患者がICU(手中治療室)での治療が必要だった。42%の肥満患者で手術後に合併症が起きた、そして、31%の患者で再手術が必要だった。

病的肥満患者は再手術の率が(40% v. 23%、 p=0.05)[...]重度の肥満の患者より多かった。

BMIが40未満の人の再手術の割合が23%だったのに対して、BMIが40以上の人は再手術の割合が40%だったという結果でした。

 

肥満は病気の原因になるだけではなく、治療中に問題が起こる可能性があります。BMI40以上という極めて重度な肥満ではこのような危険性があることも考えて、適度な体重維持に注意する必要があるかもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Increased health services use by severely obese patients undergoing emergency surgery: a retrospective cohort study.

Can J Surg. 2015 Feb.

[PMID: 25427335]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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