◆食事における塩分と脂肪分の影響を調査
研究班は、まず48人の健康な人の脂肪味覚感度を調べました。次に、対象者が(1)低塩・低脂肪食、(2)低塩・高脂肪食、(3)高塩・低脂肪食、(4)高塩・高脂肪食の4種類の食事を摂るところを観察しました。そして、対象者の食事摂取量、食事を摂る速さ、満腹感などを分析しました。
脂肪味覚感度とは、食事中に含まれる脂肪分の味に対する敏感さのことです。脂肪味覚感度が高い人、つまり脂肪分の味を感じやすい人ほど、食事中の脂肪摂取量が少ないことが明らかになっています。
◆塩分は食事摂取量とエネルギー摂取量を増加させる
以下の結果が得られました。
塩分は、脂肪濃度とは無関係に食料とエネルギー摂取量を11%増加させた(P=0.022)。食物摂取量における脂肪の影響はなかった(P=0.6)が、高脂肪食はエネルギー摂取量を60%増加させた(P<0.001)。
塩分は、食事摂取量とエネルギー摂取量を増加させました。脂肪は、食事摂取量には影響を与えませんでしたが、エネルギー摂取量を増加させました。
塩分の多い食べ物は食べ過ぎてしまう傾向があるようです。私たちの健康を守る上では、塩分の多い食べ物に対して気をつけるべきかもしれません。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。