2016.05.02 | ニュース

食事中の塩分は食事摂取量とエネルギー摂取量を増加させる?

48人を調査

from The Journal of nutrition

食事中の塩分は食事摂取量とエネルギー摂取量を増加させる?の写真

塩分と脂肪分は食事においては一般的な組み合わせです。塩分や脂肪分を摂取することは、食事の摂取量やエネルギーの摂取量を増減させるのでしょうか?研究班は、48人を対象に、食事における塩分と脂肪分の影響について調査しました。

◆食事における塩分と脂肪分の影響を調査

研究班は、まず48人の健康な人の脂肪味覚感度を調べました。次に、対象者が(1)低塩・低脂肪食、(2)低塩・高脂肪食、(3)高塩・低脂肪食、(4)高塩・高脂肪食の4種類の食事を摂るところを観察しました。そして、対象者の食事摂取量、食事を摂る速さ、満腹感などを分析しました。

脂肪味覚感度とは、食事中に含まれる脂肪分の味に対する敏感さのことです。脂肪味覚感度が高い人、つまり脂肪分の味を感じやすい人ほど、食事中の脂肪摂取量が少ないことが明らかになっています。

 

◆塩分は食事摂取量とエネルギー摂取量を増加させる

以下の結果が得られました。

塩分は、脂肪濃度とは無関係に食料とエネルギー摂取量を11%増加させた(P=0.022)。食物摂取量における脂肪の影響はなかった(P=0.6)が、高脂肪食はエネルギー摂取量を60%増加させた(P<0.001)。

塩分は、食事摂取量とエネルギー摂取量を増加させました。脂肪は、食事摂取量には影響を与えませんでしたが、エネルギー摂取量を増加させました。

 

塩分の多い食べ物は食べ過ぎてしまう傾向があるようです。私たちの健康を守る上では、塩分の多い食べ物に対して気をつけるべきかもしれません。

執筆者

針谷 遼

参考文献

Salt Promotes Passive Overconsumption of Dietary Fat in Humans.

J Nutr. 2016 Apr.

[PMID: 26936134]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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