2016.01.08 | ニュース

BMIが35以上だと、関節の手術後にどんな危険があるか?

738人を分析

from The bone & joint journal

BMIが35以上だと、関節の手術後にどんな危険があるか? の写真

過体重は、関節に負担がかかり、手術が必要になる場合があります。今回の研究では、肥満患者が股関節と膝関節の人工関節手術を受けると、その後にどのような危険があるか検証しました。

◆肥満の人は人工関節手術後にどんな危険があるか?

人工関節手術を行った後、手術の結果が思わしくなく、集中治療が必要になる人がいます。今回の研究では、人工股関節置換術と人工膝関節置換術を行った738人を対象に、術後に集中治療を行った人にどんな特徴があったかを検証しました。

 

◆BMIが35以上だと、集中治療が必要?

以下の結果が得られました。

6つの独立した臨床的多変量予測因子が特定され(p<0.001)、うっ血性心不全の既往(オッズ比24.26、95%信頼区間9.51-61.91)、推定出血量が1000ml以上(オッズ比17.36、95%信頼区間5.36-56.19)、慢性閉塞性肺疾患(オッズ比13.90、95%信頼区間4.78-40.36)、術中の昇圧薬の使用(オッズ比8.10、95%信頼区間3.23-20.27)、人工股関節置換術の再手術(オッズ比2.71、95%信頼区間1.04-7.04)、体格指数が35kg/m2以上(オッズ比2.70、95%信頼区間1.23-5.94)であった。

BMI(体格指数、体重÷身長の2乗)が35以上であると、人工関節置換術後に集中治療が必要となる可能性が高いという結果でした。ほかにもCOPD(喫煙などによって呼吸機能が悪くなった状態)がある人などで、集中治療が必要となる可能性が高くなりました。

 

肥満症では、そもそも他の病気を持つ危険性も高いため、手術後に管理が必要となる可能性があります。また、人工関節置換術が必要となる変形性関節症は、過体重により起こる場合もあります。このような研究結果を機に、健康管理を見直しても良いかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Which patients need critical care intervention after total joint arthroplasty? : a prospective study of factors associated with the need for intensive care following surgery.

Bone Joint J. 2015 Nov

[PMID: 26530654]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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