◆若い女性のオンライン調査
研究班は、大学に通う年齢の女性を対象として、オンラインで聞き取り調査を行い、摂食行動の異常に加え、Facebookの利用時間、Facebook友達の数、オンラインで他人の外見と自分を比べることがあるか、オンラインで自分の体型を悪く言うことがあるかなどを調べました。
◆全体としては減少傾向
調査結果の統計解析から次の結果が得られました。
回帰分析において、Facebookの利用度、オンラインでの容貌比較、オンラインでのファット・トークは有意に、また独立して、摂食行動の障害と関連し、ほかの共変数と組み合わせて摂食行動の障害の分散の大きな割合を説明した(60%)。ただし、Facebookの利用度がより高いことは摂食行動の障害の減少と関連したのに対し、オンラインでの容貌比較とオンラインでのファット・トークは摂食行動の障害の増加と関連した。
全体としてFacebookをよく利用している人で、摂食行動の異常が少ない傾向が見られました。ただし、他人の外見と自分を比べる、自分の体型を悪く言うといった使い方がある人では、逆に摂食行動の異常が多い傾向がありました。
健康的でない使い方もある一方で、全体としてはFacebookで友達とつながっていることは健康的な傾向なのかもしれません。なお、この研究の方法では、摂食行動の異常とFacebookの使い方に因果関係があるかどうか、あるとすればどちらが原因でどちらが結果かを決めることができません。
新しいメディアが医療の観点からどんな意味を持つかは今まさに研究されつつあり、今後診断や治療において重視される場面が出てくるかもしれません。
執筆者
Facebook Use and Disordered Eating in College-Aged Women.
J Adolesc Health. 2015 Aug
[PMID: 26206436]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。