コミナティ筋注6ヵ月~4歳用の添付文書
添付文書PDFファイル
※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。
効果・効能
SARS-CoV-2による感染症の予防。
(効能又は効果に関連する注意)
- 1. 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
用法・用量
本剤を日局生理食塩液2.2mLにて希釈する。
初回免疫として、1回0.2mLを合計3回、筋肉内に接種する。2回目は通常、3週間の間隔で、3回目は2回目の接種から少なくとも8週間経過した後に接種する。
追加免疫として、1回0.2mLを筋肉内に接種する。
(用法及び用量に関連する注意)
- 初回免疫
1.1. 初回免疫接種対象者:6ヵ月以上4歳以下の者。
1.2. 初回免疫接種間隔:1回目の接種から3週間、2回目の接種から8週間を超えた場合には、できる限り速やかに次回の接種を実施すること。
1.3. 初回免疫接種回数:初回免疫時原則として、同一の効能・効果をもつ他のワクチンと混同することなく3回接種するよう注意すること。
- 追加免疫
2.1. 追加免疫接種対象者:過去に初回免疫又は追加免疫としてSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のある6ヵ月以上4歳以下の者(SARS-CoV-2の流行状況や個々の背景因子等を踏まえ、ベネフィットとリスクを考慮し、追加免疫の要否を判断すること)。
2.2. 追加免疫接種時期:通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも3ヵ月経過した後に接種することができる。
2.3. 本剤以外のSARS-CoV-2ワクチンを接種した者に追加免疫として本剤を接種した際の有効性及び安全性は確立していない。
- 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔14.2.2参照〕。
副作用
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副反応
1.1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明)〔2.3、8.4、9.1.6参照〕。
1.2. 心筋炎、心膜炎(頻度不明)〔8.6、15.1.1、15.1.2参照〕。
- その他の副反応
- 局所症状(注射部位):(5%以上)*疼痛(47.0%)、*発赤・*紅斑(18.9%)、*腫脹、(1%未満)熱感、(頻度不明)そう痒感、内出血、浮腫。
- 精神神経系:(5%以上)*易刺激性(68.4%)、*傾眠(41.3%)、*頭痛、(頻度不明)浮動性めまい、嗜眠、不眠症、顔面麻痺、錯感覚、感覚鈍麻。
- 消化器:(5%以上)*食欲減退(38.6%)、*下痢(13.6%)、*嘔吐、(1%未満)栄養補給障害、(頻度不明)悪心。
- 呼吸器:(1%未満)咳嗽、口腔咽頭痛、(頻度不明)鼻閉。
- 筋・骨格系:(5%以上)*筋肉痛、(1%~5%未満)*関節痛、(1%未満)四肢痛、(頻度不明)背部痛。
- 皮膚:(1%未満)蕁麻疹、発疹、紅斑性皮疹、(頻度不明)多汗症、寝汗。
- 血液:(1%未満)リンパ節症。
- 免疫系:(頻度不明)過敏症(発疹、そう痒症、紅斑、蕁麻疹、血管性浮腫、顔面腫脹等)。
その他:(5%以上)*疲労(44.8%)、*発熱(14.4%)、*悪寒、(頻度不明)腋窩痛、疼痛、倦怠感、無力症、インフルエンザ様症状。
*)臨床試験において電子日誌により収集した副反応の発現割合。
海外第1/2/3相試験(C4591007試験第2/3相パート並びにC4591048試験サブ試験B)の各年齢層で収集した事象について、年齢層別(6ヵ月~1歳及び2~4歳)に発現割合を算出し、両試験及び両年齢層で共通の事象についてはより高い値となった結果を記載した。
使用上の注意
(接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者))
- 明らかな発熱を呈している者。
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
- 本剤の成分に対し重度過敏症の既往歴のある者〔8.4、9.1.6、11.1.1参照〕。
- 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
(重要な基本的注意)
- 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
- 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察によって健康状態を調べること〔9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)の項参照〕。
- 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
- ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるため、接種前に過敏症の既往歴等に関する問診を十分に行い、接種後一定時間、被接種者の状態を観察することが望ましい。また、本剤接種後にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては、以降の本剤の接種を行わないこと〔2.3、9.1.6、11.1.1参照〕。
- ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後一定時間は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
- 心筋炎、心膜炎があらわれることがあるため、被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること〔11.1.2、15.1.1、15.1.2参照〕。
- コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、ギラン・バレー症候群が報告されている。被接種者又はその保護者に対しては、ギラン・バレー症候群が疑われる症状(四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等)が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
- 本剤と他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはない。
(特定の背景を有する者に関する注意)
(接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者))
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること〔8.2参照〕。
1.1. 抗凝固療法中の者、血小板減少症又は凝固障害を有する者:本剤接種後に出血又は挫傷があらわれることがある。
1.2. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者:本剤に対する免疫応答が低下する可能性がある。
1.3. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者。
1.4. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
1.5. 過去に痙攣の既往のある者。
1.6. 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者〔2.3、8.4、11.1.1参照〕。
(腎機能障害を有する者)
腎機能障害を有する者:接種要注意者である。
(肝機能障害を有する者)
肝機能障害を有する者:接種要注意者である。
(小児等)
6ヵ月未満を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
- 薬剤調製時の注意
1.1. 解凍方法 1. 冷蔵庫(2~8℃)又は室温で解凍すること。 1. 解凍の際は、室内照明による曝露を最小限に抑えること(直射日光及び紫外線が当たらないようにすること)。
1.2. 解凍後の保存管理 1. 解凍後は再冷凍せず、有効期間内に使用すること。 1. 冷蔵庫(2~8℃)で解凍する場合は、2~8℃で10週間保存することができる。 1. 室温で解凍する場合は、解凍開始から24時間以内(一度針を刺した後の時間を含む)に使用すること。
1.3. 希釈方法 1. 希釈前に室温に戻しておくこと。 1. 本剤は保存料を含まないため、操作にあたっては雑菌が迷入しないよう注意すること。 1. 本剤のバイアルに日局生理食塩液2.2mLを加え、白色の均一な液になるまでゆっくりと転倒混和すること(振り混ぜないこと)。 1. 希釈前の液は白色の微粒子を含むことがある(希釈後に微粒子が認められる場合には、使用しないこと)。 1. 希釈後の液は10回接種分(1回0.2mL)を有しデッドボリュームの少ない注射針・注射筒を使用した場合10回分を採取できるが、標準的な注射針・注射筒等を使用した場合10回目接種分を採取できないことがある。1回0.2mLを採取できない場合、残量は廃棄すること。 1. 希釈後の液は2~30℃で保存し、希釈後12時間以内に使用すること(希釈後12時間以内に使用しなかった液は廃棄すること)。 1. 希釈後保存の際には、室内照明による曝露を最小限に抑えること(直射日光及び紫外線が当たらないようにすること)。
- 薬剤接種時の注意
2.1. 室温に戻した希釈後のバイアルから接種量0.2mLを取り、微粒子や変色がないことを目視で確認すること(異常が認められる場合は使用しないこと)。
2.2. 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと〔7.3参照〕。
2.3. 通常、三角筋中央部又は大腿前外側部に筋肉内接種、1歳未満は大腿前外側部に筋肉内接種すること。臀部には接種しないこと。また、静脈内、皮内、皮下への接種も行わないこと。
2.4. 組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。 1. 針長は筋肉内接種に足る長さで、組織や血管あるいは骨に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。 1. 神経走行部位を避けること。 1. 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(その他の注意)
- 臨床使用に基づく情報
1.1. 海外において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に心筋炎、心膜炎が報告されている(過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対する2回目までの接種において報告された症例の多くは若年男性であり、特に2回目接種後数日以内に発現しており、また、大多数の症例で、入院による安静臥床により症状が改善している)〔8.6、11.1.2参照〕。
1.2. 接種開始後の国内副反応疑い報告における心筋炎、心膜炎の報告率と、国内の医療情報データベースを用いて算出した一般集団から推測される心筋炎、心膜炎の発現率とを比較したところ、過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対するコミナティ筋注(起源株)2回接種後の若年男性で頻度が高いことが示唆された〔8.6、11.1.2参照〕。
1.3. 海外において、皮膚充填剤との関連性は不明であるが、皮膚充填剤注入歴のある被接種者において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、皮膚充填剤注入部位周辺の腫脹(特に顔面腫脹)が報告されている。
(保険給付上の注意)
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
(保管上の注意)
-90~-60℃。