処方薬
アシクロビル顆粒40%「トーワ」
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アシクロビル顆粒40%「トーワ」の添付文書

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効果・効能

[成人] 1. 単純疱疹。 1. 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制。 1. 帯状疱疹。

    [小児]
1.  単純疱疹。
1.  造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制。
1.  帯状疱疹。
1.  小児水痘。
1.  小児性器ヘルペスの再発抑制。

(効能又は効果に関連する注意)

    1. 〈効能共通〉本剤は、主として免疫機能の低下を伴わない患者に適応される。悪性腫瘍、自己免疫疾患などの免疫機能低下した患者には、アシクロビル注射剤の点滴静脈内投与等を考慮すること。
    1. 〈水痘〉16歳以上の水痘に対する本剤の使用経験はない。
    1. 〈性器ヘルペスの再発抑制〉性器ヘルペスの発症を繰り返す患者(免疫正常患者においては、おおむね年6回以上の頻度で再発する者)に対して投与すること。
    1. 〈性器ヘルペスの再発抑制〉体重40kg以上に限り投与すること。

用法・用量

[成人]

〈単純疱疹〉

通常、成人には1回アシクロビルとして200mgを1日5回経口投与する。

〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉

通常、成人には1回アシクロビルとして200mgを1日5回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。

〈帯状疱疹〉

通常、成人には1回アシクロビルとして800mgを1日5回経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

[小児]

〈単純疱疹〉

通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は200mgとする。

〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉

通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。ただし、1回最高用量は200mgとする。

〈帯状疱疹〉

通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は800mgとする。

〈水痘〉

通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は800mgとする。

〈性器ヘルペスの再発抑制〉

通常、小児には体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は200mgとする。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

(用法及び用量に関連する注意)

    1. 〈効能共通〉本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始することが望ましい。
    1. 〈効能共通〉腎障害を有する成人患者におけるクレアチニンクリアランスに応じた本剤の投与間隔の目安は次のとおりである(外国人データ)〔8.重要な基本的注意、9.2.1、9.8高齢者の項、13.1、16.6.1参照〕[1)クレアチニンクリアランス)25mL/min/1.73㎡:単純疱疹には1回200mgを1日5回、帯状疱疹には1回800mgを1日5回、2)クレアチニンクリアランス10~25mL/min/1.73㎡:単純疱疹には1回200mgを1日5回、帯状疱疹には1回800mgを1日3回、3)クレアチニンクリアランス(10mL/min/1.73㎡:単純疱疹には1回200mgを1日2回、帯状疱疹には1回800mgを1日2回]。なお、腎障害を有する小児患者における本剤の投与間隔及び投与量調節の目安は確立していない。
    1. 〈単純疱疹〉本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。ただし、初発型性器ヘルペスは重症化する場合があるため、本剤を10日間まで使用可能とする。
    1. 〈帯状疱疹〉原則として皮疹出現後5日以内に投与を開始すること。
    1. 〈帯状疱疹〉本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
    1. 〈水痘〉原則として皮疹出現後3日以内に投与を開始すること。
    1. 〈水痘〉本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
    1. 〈性器ヘルペスの再発抑制〉本剤を1年間投与後、投与継続の必要性について検討することが推奨される。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血管性浮腫等)があらわれることがある。

  2. 1.2. 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明)。

  3. 1.3. 急性腎障害、尿細管間質性腎炎(いずれも頻度不明)〔9.2.1、9.8高齢者の項、13.1参照〕。

  4. 1.4. 精神神経症状(頻度不明):意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等があらわれることがある(一般に精神神経症状は本剤の投与中止により回復する)〔9.2.1、9.8高齢者の項、13.1参照〕。

  5. 1.5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

  6. 1.6. 呼吸抑制、無呼吸(いずれも頻度不明)。

  7. 1.7. 間質性肺炎(頻度不明)。

  8. 1.8. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)。

  9. 1.9. 急性膵炎(頻度不明)。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(0.1%未満)発熱、発疹、水疱、紅斑、蕁麻疹、そう痒、(頻度不明)固定薬疹、光線過敏症。
    2. 血液:(0.1%~5%未満)貧血、白血球増多、好酸球増多、(0.1%未満)リンパ球増多、血小板増多、顆粒球減少、血小板減少、好塩基球増多、リンパ球減少、(頻度不明)出血、紫斑。
    3. 肝臓:(0.1%~5%未満)肝腫大、肝機能検査値異常(AST上昇、ALT上昇等)。
    4. 腎臓・泌尿器:(0.1%~5%未満)BUN上昇、(0.1%未満)血清クレアチニン値上昇、血尿、尿円柱、蛋白尿、膿尿、排尿困難、(頻度不明)乏尿、結晶尿、尿閉。
    5. 消化器:(0.1%~5%未満)下痢、軟便、嘔気、嘔吐、腹痛、胃痛、心窩部痛、胃不快感、(0.1%未満)消化不良、食欲不振、舌炎、(頻度不明)胃炎、口渇、便秘、鼓腸放屁。
    6. 精神神経系:(0.1%未満)振戦、めまい、感情鈍麻、傾眠、眠気、(頻度不明)意識障害、見当識障害、情動失禁、うつ状態、そう状態、集中力障害、徘徊、離人症、興奮、健忘、多弁、不眠、不安、言語障害、独語、異常感覚、運動失調、歩行異常、不随意運動、れん縮、しびれ感、眼振等。
    7. 循環器:(0.1%未満)動悸、(頻度不明)頻脈、不整脈、胸痛、血圧上昇、血圧低下。
    8. 筋骨格:(頻度不明)関節痛、筋肉痛。
    9. 全身症状:(0.1%~5%未満)頭痛、(0.1%未満)悪寒、発熱、全身倦怠感、(頻度不明)失神、蒼白、ほてり、浮腫、脱力感、筋力低下。
    10. その他:(0.1%~5%未満)血清トリグリセライド値上昇、尿糖、(0.1%未満)咽頭炎、血清アルブミン低下、血清カリウム値上昇、AG比低下、血清コレステロール値上昇、(頻度不明)肺炎、呼吸困難、喘鳴、胸水、疼痛、難聴、結膜炎、視力異常、味覚障害、脱毛、発汗、低ナトリウム血症、血清蛋白低下。

      発現頻度には使用成績調査の結果を含む。

使用上の注意

(禁忌)

本剤の成分あるいはバラシクロビル塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者。

(重要な基本的注意)

意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること〔7.2、9.2.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 脱水症状をおこしやすいと考えられる患者(腎障害のある患者又は腎機能低下している患者、高齢者等):適切な水分補給を行うこと〔9.2.1、9.8高齢者の項参照〕。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 腎障害のある患者、腎機能低下している患者:投与間隔を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤の曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い)〔7.2、8.重要な基本的注意の項、9.1.1、11.1.3、11.1.4、13.1、16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 肝障害のある患者:肝障害が増悪するおそれがある。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎仔頭部異常及び胎仔に尾の異常が認められたと報告されている。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(アシクロビルは、ヒト母乳中への移行が報告されている)〔16.3.1参照〕。

(小児等)

低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

投与間隔を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので、本剤の曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い)〔7.2、9.1.1、11.1.3、11.1.4、13.1参照〕。

(相互作用)

アシクロビルは、OAT1、MATE1及びMATE2-Kの基質である〔16.7参照〕。

  1. 2. 併用注意
    1. プロベネシド[本剤の排泄が抑制され、本剤の平均血漿中半減期が18%延長し平均血漿中濃度曲線下面積が40%増加するとの報告があるので、特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること(プロベネシドは尿細管分泌に関わるOAT1及びMATE1を阻害するため、本剤の腎排泄が抑制されると考えられる)]。
    2. シメチジン[アシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルの平均血漿中濃度曲線下面積が27%増加するとの報告がある(バラシクロビル塩酸塩でのデータ)ので、特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること(シメチジンは尿細管分泌に関わるOAT1、MATE1及びMATE2-Kを阻害するため、アシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる)]。
    3. ミコフェノール酸 モフェチル[本剤及びミコフェノール酸 モフェチル代謝物の排泄が抑制され、両方の平均血漿中濃度曲線下面積が増加するとの報告があるので、特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること(本剤とミコフェノール酸 モフェチル代謝物が尿細管分泌で競合すると考えられる)]。
    4. テオフィリン[本剤との併用によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがある(機序は不明であるが、本剤がテオフィリンの代謝を阻害するためテオフィリンの血中濃度が上昇することが考えられる)]。

(過量投与)

    1. 症状

    アシクロビルを数日間経口過量投与された際には、胃腸管症状(嘔気、嘔吐等)及び精神神経症状(頭痛、錯乱等)の発現が認められている。過量静脈内投与の場合は、血清クレアチニン上昇及びBUN上昇に続き腎不全の発現が認められている。また、過量静脈内投与後に、精神神経症状(錯乱、幻覚、興奮、てんかん発作、昏睡等)が認められている〔7.2、9.2.1、9.8高齢者の項、11.1.3、11.1.4参照〕。

    1. 処置

    過量投与時、血液透析により、アシクロビルを血中より効率的に除去することができる〔16.6.1参照〕。

(その他の注意)

    1. 非臨床試験に基づく情報

    骨髄小核試験において、高用量(マウス腹腔内投与、180mg/kg以上)で染色体異常の誘発性を疑わせる所見が得られている。Ames試験、マウス優性致死試験等では陰性であったが、マウスに180、360、720mg/kgを腹腔内1回投与した骨髄小核試験では、小核出現頻度に用量相関性の有意な増加が認められた。

(保管上の注意)

室温保存。