イラリス皮下注用150mgの添付文書
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効果・効能
次のクリオピリン関連周期性症候群:家族性寒冷自己炎症症候群、マックル・ウェルズ症候群、新生児期発症多臓器系炎症性疾患。
高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)。
TNF受容体関連周期性症候群。
既存治療で効果不十分な次記疾患:家族性地中海熱、全身型若年性特発性関節炎。
(効能又は効果に関連する使用上の注意)
家族性地中海熱:コルヒチンによる適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与する。
全身型若年性特発性関節炎:
- 全身型若年性特発性関節炎の場合、副腎皮質ステロイド薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与する。
- 全身型若年性特発性関節炎の場合、重篤な合併症としてマクロファージ活性化症候群(MAS)を発症することがあるので、MASを合併している患者ではMASに対する治療を優先させ本剤の投与を開始しない(また、本剤投与中にMASが発現した場合は、休薬を考慮し、速やかにMASに対する適切な治療を行う)。
用法・用量
クリオピリン関連周期性症候群:体重40kg以下の患者にはカナキヌマブ(遺伝子組換え)として1回2mg/kgを、体重40kgを超える患者には1回150mgを8週毎に皮下投与する。十分な臨床的効果(皮疹及び炎症症状の緩解)がみられない場合には適宜漸増するが、1回最高用量は体重40kg以下の患者では8mg/kg、体重40kgを超える患者では600mgとする。最高用量まで増量し、8週以内に再燃がみられた場合には、投与間隔を4週間まで短縮できる。なお、症状に応じて1回投与量の増減を検討する。
高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症):体重40kg以下の患者にはカナキヌマブ(遺伝子組換え)として1回2mg/kgを、体重40kgを超える患者には1回150mgを、4週毎に皮下投与する。十分な臨床的効果がみられない場合には追加投与又は適宜漸増するが、1回最高用量は体重40kg以下の患者では6mg/kg、体重40kgを超える患者では450mgとする。
TNF受容体関連周期性症候群及び家族性地中海熱:体重40kg以下の患者にはカナキヌマブ(遺伝子組換え)として1回2mg/kgを、体重40kgを超える患者には1回150mgを、4週毎に皮下投与する。十分な臨床的効果がみられない場合には追加投与又は適宜漸増するが、1回最高用量は体重40kg以下の患者では4mg/kg、体重40kgを超える患者では300mgとする。
全身型若年性特発性関節炎:カナキヌマブ(遺伝子組換え)として1回4mg/kgを、4週毎に皮下投与する。1回最高用量は300mgとする。
(用法及び用量に関連する使用上の注意)
本剤1バイアルを日局注射用水1.0mLに溶解した場合、溶液1.0mLがカナキヌマブ(遺伝子組換え)の投与量150mgに相当する。
本剤の至適用量は患者の体重及び臨床症状によって異なり、投与量は患者毎に設定する必要がある。クリオピリン関連周期性症候群、高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)、TNF受容体関連周期性症候群、家族性地中海熱では、投与は1回2mg/kg又は150mgの低用量から開始し、十分な効果がみられない、もしくは再燃がみられた場合に限り、添付文書の表を参考に投与量の増量を行う。
十分な臨床的効果がみられない場合の漸増方法:
クリオピリン関連周期性症候群の場合:
- クリオピリン関連周期性症候群の場合、初回投与2mg/kg又は150mgを1回皮下投与し、初回投与後に臨床症状が緩解した場合は、維持用量1回2mg/kg又は150mgを8週毎に皮下投与*。
- クリオピリン関連周期性症候群の場合、維持用量1回2mg/kg又は150mgを8週毎に皮下投与し、投与後8週以内に再燃※した場合は、維持用量1回4mg/kg又は300mgを8週毎に皮下投与。
- クリオピリン関連周期性症候群の場合、初回投与2mg/kg又は150mgを1回皮下投与し、初回投与後に臨床症状が緩解しない場合は、初回投与後7日以内に追加投与(4mg/kg又は300mgを1回皮下投与)し、追加投与後に臨床症状が緩解した場合は、維持用量1回4mg/kg又は300mgを8週毎に皮下投与*。
- クリオピリン関連周期性症候群の場合、維持用量1回4mg/kg又は300mgを8週毎に皮下投与し、投与後8週以内に再燃※した場合は、維持用量1回6mg/kg又は450mgを8週毎に皮下投与。
- クリオピリン関連周期性症候群の場合、維持用量1回6mg/kg又は450mgを8週毎に皮下投与し、投与後8週以内に再燃※した場合は、維持用量1回8mg/kg又は600mgを8週毎に皮下投与(最高用量)。
- クリオピリン関連周期性症候群の場合、初回投与2mg/kg又は150mgを1回皮下投与し、初回投与後に臨床症状が緩解せず初回投与後7日以内に追加投与(4mg/kg又は300mgを1回皮下投与)し、追加投与後に臨床症状が緩解しない場合は、追加投与後7日以内に追加投与(4mg/kg又は300mgを1回皮下投与)し、維持用量1回8mg/kg又は600mgを8週毎に皮下投与(最高用量)*。
クリオピリン関連周期性症候群の場合、維持用量1回8mg/kg又は600mgを8週毎に皮下投与(最高用量)し、投与後8週以内に再燃※した場合は、4週間まで投与間隔を短縮できるが、1回投与量は2mg/kg又は150mgから8mg/kg又は600mgまでの間で適宜調節する。
*:国内臨床試験における緩解の基準(次をすべて満たす場合):(臨床的緩解)医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価が軽微以下、皮膚疾患の評価が軽微以下、(血清学的緩解)CRPが10mg/L(=1mg/dL)未満又はSAAが10mg/L(=10μg/mL)未満[評価基準:なし、軽微、軽度、中等度、重度の5段階]。
※:国内臨床試験における再燃の基準(次をすべて満たす場合):(臨床的再燃)医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価が軽度以上、又は医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価が軽微かつ皮膚疾患の評価が軽度以上、(血清学的再燃)CRPが30mg/L(=3mg/dL)超又はSAAが30mg/L(=30μg/mL)超[評価基準:なし、軽微、軽度、中等度、重度の5段階]。
高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の場合:
- 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の場合、初回投与2mg/kg又は150mgを1回皮下投与し、臨床症状の確認を行い、緩解した場合は、維持用量1回2mg/kg又は150mgを4週毎に皮下投与※※。
- 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の場合、維持用量1回2mg/kg又は150mgを4週毎に皮下投与し、投与後4週以内に再燃※※※した場合は、必要に応じて投与後7日以降に追加投与(2mg/kg又は150mgを1回皮下投与)し、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与。
- 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の場合、初回投与2mg/kg又は150mgを1回皮下投与し、臨床症状の確認を行い、緩解しない※※場合は、必要に応じて投与後7日以降に追加投与(2mg/kg又は150mgを1回皮下投与)し、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与。
- 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の場合、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与し、臨床症状の確認を行い、緩解した場合は、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与※※。
- 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の場合、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与し、投与後4週以内に再燃※※※した場合は、必要に応じて増量後7日以降に追加投与(2mg/kg又は150mgを1回皮下投与)し、維持用量1回6mg/kg又は450mgを4週毎に皮下投与(最高用量)。
- 高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)の場合、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与し、臨床症状の確認を行い、緩解しない※※場合は、必要に応じて増量後7日以降に追加投与(2mg/kg又は150mgを1回皮下投与)し、維持用量1回6mg/kg又は450mgを4週毎に皮下投与(最高用量)。
TNF受容体関連周期性症候群及び家族性地中海熱の場合:
- TNF受容体関連周期性症候群及び家族性地中海熱の場合、初回投与2mg/kg又は150mgを1回皮下投与し、臨床症状の確認を行い、緩解した場合は、維持用量1回2mg/kg又は150mgを4週毎に皮下投与※※。
- TNF受容体関連周期性症候群及び家族性地中海熱の場合、維持用量1回2mg/kg又は150mgを4週毎に皮下投与し、投与後4週以内に再燃※※※した場合は、必要に応じて投与後7日以降に追加投与(2mg/kg又は150mgを1回皮下投与)し、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与(最高用量)。
TNF受容体関連周期性症候群及び家族性地中海熱の場合、初回投与2mg/kg又は150mgを1回皮下投与し、臨床症状の確認を行い、緩解しない※※場合は、必要に応じて投与後7日以降に追加投与(2mg/kg又は150mgを1回皮下投与)し、維持用量1回4mg/kg又は300mgを4週毎に皮下投与(最高用量)。
※※:臨床試験における緩解の基準(次をすべて満たす場合):(臨床的緩解)医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価が軽微以下、(血清学的緩解)CRPが10mg/L以下又はベースラインと比べ70%以上の減少[評価基準:なし、軽微、軽度、中等度、重度の5段階]。
※※※:臨床試験における再燃の基準(次をすべて満たす場合):(臨床的再燃)医師による自己炎症性疾患活動性の総合評価が軽度以上、(血清学的再燃)CRPが30mg/L(=3mg/dL)以上[評価基準:なし、軽微、軽度、中等度、重度の5段階]。
副作用
クリオピリン関連周期性症候群患者の国内臨床試験(D2308試験)において、19例中12例(63.2%)に副作用が認められた。主な副作用は鼻咽頭炎3例(15.8%)、口内炎2例(10.5%)等であった。
クリオピリン関連周期性症候群患者の海外臨床試験(A2102試験、D2304試験、D2306試験の併合解析)において、169例中68例(40.2%)に副作用が認められた。主な副作用は頭痛7例(4.1%)、体重増加7例(4.1%)、回転性眩暈6例(3.6%)、気管支炎5例(3.0%)等であった(承認時までの集計)。
高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)患者、TNF受容体関連周期性症候群患者、家族性地中海熱患者の国際共同試験(N2301試験)において、169例(日本人8例を含む)中47例(27.8%)に副作用が認められた。主な副作用は注射部位反応13例(7.7%)、頭痛5例(3.0%)等であった(効能又は効果の一変承認時までの集計)。
全身型若年性特発性関節炎患者の国内臨床試験(G1301試験)において、19例中13例(68.4%)に副作用が認められた。主な副作用は注射部位反応3例(15.8%)等であった。全身型若年性特発性関節炎患者の海外臨床試験(A2203試験、G2305試験、G2301試験、G2301E1試験の併合解析)において、324例中128例(39.5%)に副作用が認められた。主な副作用は鼻咽頭炎14例(4.3%)等であった(効能又は効果の一変承認時までの集計)。
「重大な副作用」及び「その他の副作用」の頻度については、クリオピリン関連周期性症候群患者の国内臨床試験、高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)患者、TNF受容体関連周期性症候群患者、家族性地中海熱患者の国際共同試験における日本人患者及び全身型若年性特発性関節炎の国内臨床試験の結果をあわせて算出した。なお、これらの臨床試験以外から報告された副作用は頻度不明とした。
重大な副作用
- 重篤な感染症(10.2%):敗血症や日和見感染症(アスペルギルス症、非定型抗酸菌症、帯状疱疹等)等の重篤な感染症が現れることがあるので、本剤投与後は患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には感染症に対する治療を行い、本剤の投与は継続しない。
- 好中球減少(頻度不明):好中球減少が現れることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
その他の副作用
- 感染症:(頻度不明)尿路感染、気管支炎、ウイルス感染、扁桃炎、鼻炎、耳感染、外陰部膣カンジダ症、下気道感染、肺感染、(5%以上)鼻咽頭炎、(5%未満)胃腸炎、肺炎、副鼻腔炎、上気道感染、咽頭炎。
- 神経系:(頻度不明)回転性眩暈、(5%未満)頭痛。
- 過敏症:(頻度不明)過敏症反応。
- 皮膚:(5%以上)注射部位反応。
- 消化器:(頻度不明)下痢、腹痛、(5%未満)口内炎。
- 肝臓:(5%未満)AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)。
- 血液:(頻度不明)血小板数減少、(5%未満)白血球数減少。
- その他:(頻度不明)体重増加。
使用上の注意
(警告)
本剤投与により、敗血症を含む重篤な感染症等が現れることがあり、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、敗血症を含む重篤な感染症等が現れることがあり、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されていることを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与する。また、本剤の投与において、重篤な感染症等の副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで投与し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に注意を与える。
敗血症等の致命的感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意する。
本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験を持つ医師が使用する。
(禁忌)
重篤な感染症の患者[感染症が悪化する恐れがある]。
活動性結核の患者[症状が悪化する恐れがある]。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
感染症の患者又は感染症が疑われる患者[感染症が悪化する恐れがある]。
結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者[結核を活動化させる恐れがある]。
再発性感染症の既往歴のある患者[感染症が再発する恐れがある]。
易感染性の状態にある患者[感染症を誘発する恐れがある]。
(重要な基本的注意)
臨床試験において、上気道感染等の感染症が高頻度に報告されており、重篤な感染症も報告されているため、本剤投与中は感染症の発現、感染症再発及び感染症増悪に十分注意する。
本剤により感染に対する炎症反応が抑制される可能性があるため、本剤投与中は患者の状態を十分に観察する。
本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線(レントゲン)検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認する。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談する。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与する[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう説明する。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しない。
本剤投与により好中球減少が現れることがあるので、初回投与前、概ね投与1カ月後、及びその後本剤投与中は定期的に好中球数を測定する。
臨床試験において、アナフィラキシー又はアナフィラキシーショックは報告されていないが、本剤の投与に対する過敏症反応が報告されているため、重篤な過敏症反応のリスクを除外することはできない。本剤を投与する際には過敏症反応の発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行う。
本剤を投与された患者において、悪性腫瘍が報告されている。本剤を含む抗IL-1製剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍等の発現には注意する。
本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わない。本剤投与前に、必要なワクチンを接種しておくことが望ましい。
抗リウマチ生物製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、B型肝炎ウイルスキャリアの患者及び既往感染者に本剤を投与する場合は、最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意する。
本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避ける。また、他の生物製剤から変更する場合は、感染症の徴候について患者の状態を十分に観察する。
本剤は、マスターセルバンク及びワーキングセルバンク作製時において、培地成分の一部としてヒト血清アルブミン及びヒト血清トランスフェリンを使用しているが、最終製品の成分としては含まれていない。これらヒト血液由来成分のうち、ヒト血清アルブミンの原血漿に対してC型肝炎ウイルス(HCV)に対する核酸増幅検査を実施している。原血漿を対象としたその他の核酸増幅検査は実施していないが、血清学的検査によりウイルスの抗原又はウイルスに対する抗体が陰性であることを確認している。更に、これらヒト血液由来成分及びカナキヌマブ(遺伝子組換え)の製造において、複数の工程によりウイルスの除去・不活化をしており、最終製品へのB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)及びヒト免疫不全ウイルス(HIV-1及びHIV-2)混入の可能性は極めて低い。また、ヒト血清アルブミンの製造にオランダで採血したヒト血液を用いているが、本剤の投与により伝達性海綿状脳症(TSE)がヒトに伝播したとの報告はなく、TSEに関する理論的なリスク評価値は、一定の安全性を確保する目安に達しており、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて低い。本剤の投与に際しては、その旨の患者又はその保護者への説明を考慮する。
(相互作用)
本剤と他の薬剤との相互作用を検討した臨床試験は実施されていない。
代謝酵素チトクロームP450(CYP450)の発現は、IL-1β等の炎症性サイトカインにより抑制されているとの報告があり、本剤のIL-1β阻害作用によりCYP450の発現が増加する可能性があるため、CYP450により代謝され治療域が狭い薬剤と併用する場合には、併用薬剤の効果や血中濃度に関するモニタリングを行い、必要に応じて投与量を調節する。
併用注意:抗TNF製剤[重篤な感染症発現のリスクが増大する恐れがあり、また、抗TNF製剤と他の抗IL-1製剤との併用により重篤な感染症の発現頻度増加が認められているため、本剤との併用は行わないことが望ましい(共に免疫抑制作用を有するため)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、動物実験(マーモセット)で胎仔への移行が認められている]。
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(マウス)でマウス抗マウスIL-1β抗体を母動物に授乳期まで投与した際、マウス新生仔に同抗体が移行したとの報告がある]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児に対する安全性及び有効性は確立していない(使用経験がない)。
(適用上の注意)
投与経路:本剤の投与は皮下投与のみとする。
調製前の準備:添付文書の巻末の投与液量一覧表を参考に、必要数のバイアル、日局注射用水注入用注射筒(1mL)、投与用注射筒(必要液量を正確に採取できる注射筒)及び注射針(21ゲージ及び27ゲージ)を用意する。
調製方法:
- 本剤は泡立ちやすいので、調製する際は、バイアルを振らない等、注意する。
- 本剤の溶解には日局注射用水以外は使用しない。
- バイアルのゴム栓部分をアルコール綿等で消毒する。
- 21ゲージの注射針を装着した1mLの注射筒を用いて、本剤1バイアルに日局注射用水1.0mLをゆっくりと注入して溶解する(液量は1.2mLとなる)。
- 約45°の角度でバイアルを約1分間ゆっくりと回転させた後、5分間静置する。
- バイアルをゆっくりと10回上下反転させ、可能であれば、指でゴム栓に触れないようにする(このときバイアルを振らない)。
- 室温で約15分間静置する。
- バイアルの側面を軽く叩き、ゴム栓に付着している液体を下に移動させる。この溶液には肉眼で確認できる粒子はほとんど含まれておらず、澄明又は混濁している。
- 溶解後60分以内に使用しない場合は、冷蔵庫内(2~8℃)で保管し、24時間以内に使用する。使用後の残液は使用しない。
投与時:
- 溶液内に粒子がある場合等、外観に異常を認めた場合には使用しない。
- 本剤1バイアルを日局注射用水1.0mLに溶解した場合、溶液1.0mLがカナキヌマブ(遺伝子組換え)の投与量150mgに相当する。投与量に応じて必要な液量を、21ゲージの注射針を装着した注射筒を用いて注意深く採取する。このとき、必要液量を正確に採取できる注射筒を用いる。
- 採取後、27ゲージの注射針を用いて皮下投与する。
- 瘢痕組織への投与を避ける。
- 1回につき1.0mLを超えて投与する場合には、1箇所あたり1.0mLを超えないように部位を分けて投与する。
(その他の注意)
クリオピリン関連周期性症候群患者を対象とした国内及び海外臨床試験において、白血球数平均値減少及び血小板数平均値減少したが、これらの変動は炎症反応の低下による可能性がある。
クリオピリン関連周期性症候群患者を対象とした海外臨床試験において、トランスアミナーゼ上昇を伴わない、無症候性で軽度の血清ビリルビン上昇が報告されている。
(参考)
本剤は、注射液吸引時の損失を考慮し、1バイアルから150mgを注射するに足る量を確保するために過量充填されている。本剤1バイアルを日局注射用水1.0mLで溶解したとき、液量1.2mL、濃度150mg/mLとなる。1回投与量が150mgを超える場合は、2バイアル以上が必要となる。
(保管上の注意)
遮光し、凍結を避け、2~8℃に保存。