アミグランド輸液の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
次記状態時のアミノ酸補給、電解質補給、ビタミンB1補給及び水分補給:経口摂取不十分で、軽度の低蛋白血症又は軽度の低栄養状態にある場合、手術前後のアミノ酸補給、電解質補給、ビタミンB1補給及び水分補給。
用法・用量
用時に隔壁を開通して大室液と小室液をよく混合する。1回500mLを末梢静脈内に点滴静注する。投与速度は、500mL当たり120分を基準とし、高齢者、重篤な患者には更に緩徐に注入する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減するが、最大投与量は1日2500mLまでとする。
副作用
臨床試験症例61例中、臨床検査値異常を含む副作用が報告されたのは30例(49.2%)、53件であった(承認時)。
重大な副作用
ショック(頻度不明):チアミン塩化物塩酸塩注射液にてショック等が現れることが報告されているので、観察を十分に行い、血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用
- 過敏症:(頻度不明)[発疹等]。
- 循環器:(頻度不明)[胸部不快感、動悸等]。
- 肝臓:(5%以上)γ-GTP増加、(0.1~5%未満)肝機能異常、AST増加(GOT増加)、ALT増加(GPT増加)、Al-P増加。
- 代謝異常:(0.1~5%未満)血中トリグリセリド増加。
- 電解質異常:(0.1~5%未満)血中カリウム増加。
- 大量・急速投与:(頻度不明)(脳浮腫、肺水腫、末梢浮腫、高カリウム血症、水中毒)、[アシドーシス]。
その他:(5%以上)血管痛、静脈炎、注入部位紅斑、注入部位疼痛、注入部位腫脹、(0.1~5%未満)注入部位硬結、血管炎、(頻度不明)[悪寒、発熱、熱感、頭痛]。
():維持液でみられる副作用(第一次再評価結果その14、1978年)。
[]:総合アミノ酸製剤でみられる副作用(第一次再評価結果その15、1979年)。
使用上の注意
(禁忌)
肝性昏睡又は肝性昏睡の恐れのある患者[アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化又は誘発される恐れがある]。
重篤な腎障害又は高窒素血症のある患者[水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化する恐れがあり、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化する恐れがある]。
アミノ酸代謝異常のある患者[投与されたアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長される恐れがある]。
高度アシドーシス(乳酸血症)のある患者[乳酸血症が悪化する恐れがある]。
高カリウム血症、乏尿、アジソン病のある患者[高カリウム血症が悪化又は誘発される恐れがある]。
高リン血症、副甲状腺機能低下症のある患者[高リン血症が悪化又は誘発される恐れがある]。
高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症のある患者[高マグネシウム血症が悪化又は誘発される恐れがある]。
高カルシウム血症のある患者[高カルシウム血症が悪化する恐れがある]。
うっ血性心不全のある患者[循環血液量が増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化する恐れがある]。
閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水、電解質及び窒素代謝物が蓄積する恐れがある]。
ビタミンB1に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
肝障害のある患者[肝障害及び水・電解質代謝異常が悪化する恐れがある]。
腎障害のある患者[水分・電解質の調節機能が低下しているため]。
アシドーシスのある患者[アシドーシスに伴う症状が悪化する恐れがある]。
糖尿病の患者[高血糖が悪化又は誘発される恐れがある]。
心臓機能障害、循環器系機能障害のある患者[循環血液量が増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化する恐れがある]。
(重要な基本的注意)
本剤は500mL当たりアミノ酸を15g(窒素として2.35g)、非蛋白熱量として150kcalを含んでいるが、本剤のみでは1日必要量のエネルギー補給は行えないので、本剤の使用は短期間にとどめる。
経口摂取不十分で、本剤にて補助的栄養補給を行う場合には、栄養必要量及び経口摂取量等を総合的に判断して、本剤の投与を行う。
手術後における本剤の単独投与はできるだけ短期間(3~5日間)とし、速やかに経口・経腸管栄養ないし他の栄養法に移行する。
本剤は500mL当たりビタミンB1のみをチアミン塩化物塩酸塩として1mg配合していることから、患者の状態に応じて、他のビタミン(ビタミンB1の追加投与を含め)を適宜追加投与する。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない)。
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせる(授乳中の投与に関する安全性は確立していない)。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(適用上の注意)
混合方法:使用時に個包装から取り出し、必ず両手で大室を側面からつかみ、両側から絞るようにして2つの隔壁を開通させる。開通後は大室と小室を交互に押して混合する。なお、空室には無菌保証のための少量の水が封入されている。
- 個包装から取り出す。
- 両手で大室を側面からつかみ、両側から絞るようにして2つの隔壁を開通させる。
- 大室と小室を交互に押して混合する。
調製時:
- 他の薬剤の配合は、原則として大室液と小室液を混合した後に混注口から行う。
- 配合薬剤によってビタミンB1の分解が促進されることがあるので注意する。
- 酸性側で安定化されている薬剤又はアルカリ性側で安定化されている薬剤を配合すると沈殿を生じる場合があるので注意する。
- 炭酸イオンと沈殿を生じるので、炭酸塩を含む薬剤と混合しない。
- カルシウムイオン又はリン酸イオンにより沈殿を生じる場合があるので、カルシウム塩を含む薬剤又はリン酸塩を含む薬剤と配合しない。
- 本剤はカルシウム塩を含有するため、クエン酸加血液と混合すると凝血を起こす恐れがあるので注意する。
- 配合薬剤によって沈殿、混濁、変色等の配合変化が生じる場合があるので注意し、配合変化が想定される場合はあらかじめ確認してから配合を行う。
- 個包装開封後及び隔壁開通後は速やかに使用し、残液は決して使用しない。
投与前:
- 投与前:添付文書の図の隔壁①及び隔壁②の開通を必ず確認する。
- 患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。
- 寒冷期には体温程度に温めて使用する。
投与速度:通常、成人500mL当たり120分を基準とし、高齢者、重篤な患者には更に緩徐に注入する。
投与時:
- 血管痛が現れた場合には、注射部位を変更し、また、場合によっては投与を中止する。
- 同種同効薬において血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されているので、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
- ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意する。
(取扱い上の注意)
使用前の注意:
- 無菌保証のため、空室に少量の水を封入し滅菌するので、空室内には水滴が残っていることがある。
- 内容液が漏れている場合や、内容液に変色・混濁・浮遊物等の異常が認められるときは使用しない。
- 空気遮断性の高い個包装内に脱酸素剤を入れて安定性を保持しているので、個包装が破損しているときは使用しない。
- 排出口あるいは混注口をシールしているフィルムがはがれているときは使用しない。
- 隔壁が開通しているときは使用しない。
- 寒冷期、又は著しい温度変化があった場合に小室液(アミノ酸液)に結晶が析出することがあるが、この場合には加温溶解後体温付近まで放冷し使用する(なお、加温しても溶解しない結晶が認められるものは使用しない)。
調製時の注意:
- 排出口から混注を行わない。
- 排出口、混注口を使用する際には、シールしているフィルムをはがす。
- 注射針は、無菌的操作により、ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通する(斜めに刺すと、ゴム栓や混注口内壁の削り片が薬液中に混入したり、容器を刺通し液漏れの原因となったりすることがある)。
- 薬剤を配合するときには、よく転倒混和し、配合変化に注意する。
投与時の注意:
- 投与前、2つの隔壁が開通していることを再度確認し、使用する。
- 本品に通気針(エア針)は不要である。
- 輸液セット等のびん針を接続する際は、ゴム栓の刻印部にまっすぐ刺通する。
- 連結管を用いた2バッグ以上の連続投与は原則として行わない。
- 個包装を開封したまま保管すると、内容液が変質する可能性があるので、速やかに使用する。
ソフトバッグの取扱い上の注意:
- 本品は軟らかいプラスチックのバッグなので、鋭利なもの等で傷つけない(液漏れの原因となる)。
- 容器の目盛りは目安として使用する。
(保管上の注意)
遮光。