次没食子酸ビスマスの添付文書
添付文書PDFファイル
※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。
効果・効能
止しゃ剤・整腸剤として使用する場合:下痢症。
局所収れん・保護剤として使用する場合:次の疾患並びに状態における乾燥・収れん・保護:極めて小範囲の皮膚糜爛及び皮膚潰瘍、痔疾。
用法・用量
止しゃ剤・整腸剤として使用する場合:次没食子酸ビスマスとして、1日1.5g~4gを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
局所収れん・保護剤として使用する場合:そのまま散布剤として使用するか、5~10%の散布剤、軟膏又はパスタとして使用する。
副作用
重大な副作用
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)精神神経系:ビスマス塩類(次硝酸ビスマス、次没食子酸ビスマス)1日3~20gの連続経口投与(1カ月~数年間)により間代性痙攣、昏迷、錯乱、運動障害等の精神神経系障害(初期症状:不安、不快感、記憶力減退、頭痛、無力感、注意力低下、振戦等)が現れたとの報告がある(これらの報告によれば、症状は投与中止後数週間~数カ月で回復している)。
(局所収れん・保護剤として使用する場合)精神神経系:ビスマス含有の外用剤の長期連続使用(約10年間)で、頭痛、記憶力減退、集中力低下、振戦、間代性痙攣、昏迷、運動障害等の精神神経系障害が現れたとの報告がある(これらの報告によれば、症状は使用中止後数週間~数カ月で回復している)。
その他の副作用
- (止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)消化器:ときに(5%未満)嘔気、食欲不振が現れることがある。
- (止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)粘膜:歯齦縁、舌、口腔内等に粘膜の青色又は青黒色の着色が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には投与を中止する。
- (局所収れん・保護剤として使用する場合)過敏症:刺激感等の過敏症状が現れた場合には使用を中止する。
使用上の注意
(禁忌)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では症状の悪化、治療期間の延長を来す恐れがある]。
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍のある患者[ビスマスの吸収により、血中に移行する量が多くなる恐れがある]。
(原則禁忌)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)細菌性下痢患者[治療期間の延長を来す恐れがある]。
(慎重投与)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)便秘の患者[ビスマスが吸収されやすいため、血液中に移行する量が多くなる恐れがある]。
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)結腸瘻造設術、回腸瘻造設術、又は人工肛門造設術を受けた患者[ビスマスが吸収されやすいため、血液中に移行する量が多くなる恐れがある]。
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)消化管憩室のある患者[ビスマスが吸収されやすいため、血液中に移行する量が多くなる恐れがある]。
(局所収れん・保護剤として使用する場合)本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)精神神経系障害が現れる恐れがあるので長期連用投与を避け、やむをえない場合は、原則として1カ月に20日程度(1週間に5日以内)の投与にとどめる。
(局所収れん・保護剤として使用する場合)患部が化膿している場合には、あらかじめ適切な処置を行った後使用する。
(高齢者への投与)
(高齢者の止しゃ剤・高齢者の整腸剤として使用する場合)一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいので、投与量、投与期間等に注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)妊婦に対する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には投与量、投与期間等に注意して投与する。
(小児等への投与)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)小児に対する安全性は確立していないので、小児には投与量、投与期間等に注意して投与する。
(適用上の注意)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)浣腸には使用しない。
(局所収れん・保護剤として使用する場合)1)広範囲の病変部には使用しない、2)(散布剤):局所収れん・保護剤として使用する場合、誤って吸入しない、(軟膏、パスタ剤):眼には使用しない。
配合変化:アルカリ性イオウ化合物及び鉄塩とは配合禁忌である。
(その他の注意)
(止しゃ剤・整腸剤として使用する場合)服用によって便の色が黒くなることがある[ビスマスが黒色の硫化ビスマスになるため]。
(保管上の注意)
遮光、密閉容器。