テストステロンエナント酸エステル筋注250mg「F」の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
男子性腺機能不全(類宦官症)、造精機能障害による男子不妊症、再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血。
用法・用量
〈男子性腺機能不全(類宦官症)〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして1回100mgを7~10日間ごとに、または1回250mgを2~4週間ごとに筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈造精機能障害による男子不妊症〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして1回50~250mgを2~4週間ごとに無精子状態になるまで筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして1回100~250mgを1~2週間ごとに筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- その他の副作用
- 過敏症:(頻度不明)過敏症状。
- 肝臓:(頻度不明)肝機能検査値異常。
内分泌:
①. 女性:(頻度不明)回復しがたい嗄声・回復しがたい多毛、ざ瘡、色素沈着、月経異常、陰核肥大、性欲亢進。
②. 男性:(頻度不明)陰茎肥大、持続性勃起、(男性)特に大量継続投与により精巣萎縮・精子減少・精液減少等の精巣機能抑制。
精神神経系:(頻度不明)多幸症状。
皮膚:(頻度不明)脱毛、皮膚色調変化(紅斑等)等。
投与部位:(頻度不明)疼痛、硬結。
使用上の注意
(禁忌)
- アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば前立腺癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある]〔8.1参照〕。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
(重要な基本的注意)
- 〈効能共通〉男性に投与する場合には、定期的に前立腺の検査を行うこと〔2.1、9.1.1参照〕。
- 〈再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血〉女性に投与する場合には、変声の可能性のあることを告げておき、女性への投与に際しては観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
1.1. 前立腺肥大のある患者:前立腺肥大が増大するおそれがある〔8.1参照〕。
1.2. 心疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留や体液貯留により、症状が増悪するおそれがある。
1.3. 癌の骨転移のある患者:高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
1.4. 骨成長が終了していない可能性がある患者、思春期前の患者:骨端早期閉鎖、性的早熟を来すおそれがある〔9.7小児等の項参照〕。
(腎機能障害患者)
- 2.1. 腎疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留や体液貯留により、症状が増悪するおそれがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(女性胎児の男性化を起こすことがある)〔2.2参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(小児等)
〔9.1.4参照〕。
(高齢者)
男性高齢者ではアンドロゲン依存性腫瘍が潜在している可能性がある。また一般に高齢者では生理機能が低下している。
(相互作用)
- 併用注意:
抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)[抗凝血剤の作用を増強することがあるので、抗凝血剤を減量するなど注意する(本剤の凝固因子合成抑制あるいは分解促進作用による)]。
(適用上の注意)
- 薬剤投与時の注意
1.1. 投与経路:本剤は筋肉内注射にのみ使用すること。
1.2. 筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に注意すること。
・ 同一部位への反復注射は行わないこと。特に乳児、幼児、小児には注意すること。
・ 神経走行部位を避けること。
・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(その他の注意)
- 臨床使用に基づく情報
蛋白同化・男性ホルモン剤を長期大量に投与された再生不良性貧血の患者等に肝腫瘍の発生が観察されたとの報告がある。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は遮光して保存すること。
(保管上の注意)
室温保存。