コロネル錠500mgの添付文書
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効果・効能
過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤による治療は対症療法である。
用法・用量
通常、成人にはポリカルボフィルカルシウムとして1日量1.5~3.0gを3回に分けて、食後に水とともに経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
- 1日あたりの製剤量は次のとおりである。
1日投与量:3~6錠。
- 下痢状態では1日1.5gでも効果が得られているので、下痢状態の場合には1日1.5gから投与を開始することが望ましい。
- 症状の改善が認められない場合、長期にわたって漫然と使用しないこと(通常2週間)。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2. その他の副作用
- 過敏症:(0.1~2%未満)発疹、そう痒感。
- 血液:(0.1~2%未満)白血球減少。
- 消化器:(0.1~2%未満)嘔気・嘔吐、口渇、腹部膨満感、下痢、便秘、腹痛、腹鳴。
- 肝臓:(0.1~2%未満)AST上昇、ALT上昇、(頻度不明)γ-GTP上昇、ALP上昇、総ビリルビン上昇、LDH上昇。
- その他:(0.1~2%未満)浮腫、頭痛、尿潜血陽性、尿蛋白陽性。
使用上の注意
(禁忌)
- 急性腹部疾患(虫垂炎、腸出血、潰瘍性結腸炎等)の患者[症状を悪化させるおそれがある]。
- 術後イレウス等の胃腸閉塞を引き起こすおそれのある患者[症状を悪化させるおそれがある]。
- 高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を助長するおそれがある]。
- 腎結石のある患者[腎結石を助長するおそれがある]。
- 腎不全(軽度及び透析中を除く)のある患者〔9.2.1参照〕。
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
1.1. 高カルシウム血症があらわれやすい患者:高カルシウム血症を起こすおそれがある。
1.2. 無酸症・低酸症が推定される患者及び胃全切除術の既往のある患者:本剤の薬効が十分に発揮されない可能性がある。
(腎機能障害患者)
2.1. 腎不全(軽度及び透析中を除く)のある患者:投与しないこと(組織への石灰沈着を助長するおそれがある)〔2.5参照〕。
2.2. 透析中の患者及び軽度腎不全のある患者:組織への石灰沈着を助長するおそれがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(小児等)
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
減量するなど用量に留意すること(一般に高齢者では腎機能が低下していることが多く、高カルシウム血症があらわれやすい)。
(相互作用)
- 併用注意:
- 活性型ビタミンD製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール等)[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(これらの薬剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる)]。
カルシウム剤:
①. カルシウム剤(L-アスパラギン酸カルシウム、乳酸カルシウム水和物等)[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(本剤はカルシウムを含有(ポリカルボフィルカルシウム1.0g中にカルシウムとして約200mg含有)するため、これらの薬剤と併用するとカルシウムの過剰摂取となる)]。
②. カルシウム剤(経口)(L-アスパラギン酸カルシウム(経口)、乳酸カルシウム水和物(経口)等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤はカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、カルシウムとの共存下では再結合により薬効が減弱する)]。
強心配糖体(ジゴキシン等)[これらの薬剤の作用を増強し不整脈等を誘発するおそれがある(カルシウムは強心配糖体の心筋収縮力増強作用を強める)]。
テトラサイクリン系抗生物質(経口)(テトラサイクリン(経口)、ミノサイクリン(経口)等)、ニューキノロン系抗菌剤(経口)(ノルフロキサシン(経口)、シプロフロキサシン塩酸塩水和物(経口)、トスフロキサシントシル酸塩水和物(経口)等)[これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある(カルシウムイオンはこれらの薬剤とキレートを形成し、吸収を阻害する)]。
プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ランソプラゾール等)、H2受容体拮抗剤(ファモチジン、ラニチジン等)、制酸剤(PPI・H2ブロッカー以外)(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤は酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、これらの薬剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される)]。
(適用上の注意)
- 薬剤交付時の注意
1.1. 本剤は、服用後に途中でつかえた場合に、膨張して喉や食道を閉塞する可能性があるので、十分量(コップ1杯程度)の水とともに服用させること。
1.2. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(取扱い上の注意)
PTP品はアルミ袋により品質保持をはかっているので、アルミ袋開封後は湿気を避けて保存すること。
(保管上の注意)
室温保存。