処方薬
キシロカインゼリー2%

キシロカインゼリー2%の添付文書

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効果・効能

表面麻酔。

用法・用量

リドカイン塩酸塩として、尿道麻酔には通常成人では男子は200~300mg、女子は60~100mgを使用する。気管内挿管には適当量を使用する。

なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、体質により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック(頻度不明):徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。

  2. 1.2. 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明):意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔13.過量投与の項参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 中枢神経:(頻度不明)眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等[このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがある]。
    2. 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐等[このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがある]。
    3. 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等。

使用上の注意

(禁忌)

本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。

(重要な基本的注意)

    1. まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。
    1. 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の点に留意すること。
  1. 2.1. 患者の全身状態の観察を十分に行うこと。

  2. 2.2. 麻酔部位に応じ、できるだけ必要最少量とすること。特に他のリドカイン製剤と併用する場合には、総リドカイン量を考慮し過量投与とならないよう注意すること。

  3. 2.3. 気道内表面麻酔の場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を使用すること。

  4. 2.4. 外傷、びらん、潰瘍又は炎症部位への投与は吸収が速いので注意すること〔13.過量投与の項参照〕。

  5. 2.5. 前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、鎮静薬、鎮痛薬等を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい(なお、高齢者、小児、全身状態不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと)〔9.1.1、9.7小児等、9.8高齢者の項参照〕。

    1. 本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させるおそれがあるので注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 全身状態不良な患者:生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある〔8.2.5参照〕。

  2. 1.2. 心刺激伝導障害のある患者:症状を悪化させることがある。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

(小児等)

幼児(特に3歳以下)には、低用量から投与を開始する等、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(麻酔効果の把握が困難なため高用量又は頻回投与されやすく、中毒を起こすことがある)〔8.2.5参照〕。

(高齢者)

患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること(一般に生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している)〔8.2.5参照〕。

(相互作用)

本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。

    1. 併用注意

    クラス3抗不整脈剤(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと(作用が増強することが考えられる)]。

(過量投与)

過量投与時、局所麻酔剤の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる〔8.2.4、11.1.2参照〕。

    1. 症状
  1. 1.1. 中枢神経系症状:過量投与時、初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる(症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがあり、より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある)。

  2. 1.2. 心血管系症状:過量投与時、血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。

    1. 処置

    過量投与時、振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。

(適用上の注意)

    1. 薬剤投与後の注意

    本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(匙等)に接触させないことが望ましい(なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗すること)。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報
  1. 1.1. 本剤の投与により、気管内挿管後の咽頭痛、嗄声等の発現を増加させたとの報告がある。

  2. 1.2. ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。

(保管上の注意)

室温保存。