スタレボ配合錠L100の添付文書
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効果・効能
パーキンソン病[レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められる場合]。
(効能又は効果に関連する注意)
- 原則として、本剤はレボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与を行っている患者に対し、既存治療に替えて使用する。
- レボドパ・カルビドパ投与による治療(少なくともレボドパとして1日300mg)においてwearing-off現象が認められる患者への本剤の使用は、1日総レボドパ量が600mg以下であり、ジスキネジーを有しない場合とし、エンタカポンの併用よりも本剤の投与が適切であるか慎重に判断すること。
用法・用量
成人には、レボドパ・カルビドパ・エンタカポンとして1回50mg/5mg/100mg~200mg/20mg/200mgの間で1回1又は2錠を経口投与する。
なお、症状により用量及び投与回数を調節するが、1日総レボドパ量として1500mg、総カルビドパ量として150mg、総エンタカポン量として1600mgを超えないこと。また、投与回数は1日8回を超えないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
- 既存治療から本剤への切り替え
1.1. レボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与が行われている場合:レボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与が行われている場合、本剤投与へ切り替える際の1回レボドパ用量及びエンタカポン用量は、既存治療における各々の用量と一致させること(本剤2錠への切り替えは、既存治療において1回エンタカポン用量が200mgであり、レボドパ用量が一致する場合にのみ行うこと)。
1.2. レボドパ・カルビドパの投与が行われ、エンタカポンは併用されていない場合 1. エンタカポンはレボドパの生物学的利用率を高めるため、エンタカポンが併用されていない患者では、本剤の投与開始によりレボドパによるドパミン作動性の副作用(ジスキネジー等)があらわれる場合があるため、レボドパ・カルビドパの投与が行われ、エンタカポンは併用されていない場合、本剤の投与開始時には患者の状態を十分観察し、ドパミン作動性副作用がみられた場合は、本剤の用量を調節する又は切り替え前の治療に戻すなど適切な処置を行うこと。 1. レボドパ・カルビドパの投与が行われ、エンタカポンは併用されていない場合、本剤投与へ切り替える際の1回レボドパ用量は、既存治療における用量と一致させ、エンタカポンの通常用量は1回100mgであることから、必ず本剤1回1錠へ切り替えること。
- 本剤による治療中
2.1. 用量の調節が必要な場合には、1回用量を調節するほか投与間隔や投与回数の変更及び必要に応じてレボドパ製剤とエンタカポンの併用による調節も考慮し、レボドパ製剤又はエンタカポン単剤を追加する必要がある場合には本剤との組合せによる治療が適切であるか慎重に検討すること。
2.2. 本剤に他のレボドパ製剤を追加する場合でも、1日総レボドパ量は1500mgを超えないこと。
2.3. エンタカポンの1回最大用量は200mgであり、1回あたり本剤2錠を超えて投与しないこと(また、本剤1錠にエンタカポン単剤を追加する場合にもエンタカポンとしての投与量は1回200mgまでとし、1日総エンタカポン量は1600mgを超えないこと)。
2.4. 1回エンタカポン用量を200mgに増量した場合、ジスキネジー等が発現することがあるので、1回200mgへの増量は慎重に検討すること(また、増量した際は観察を十分に行い、これらの症状が発現した場合には症状の程度に応じて1回エンタカポン用量を減量するなど適切な処置を行うこと)。
2.5. 肝障害のある患者では、やむを得ず1回エンタカポン用量を200mgに増量する場合には、観察を十分に行いながら特に慎重に投与すること〔9.3.1参照〕。
2.6. 体重40kg未満の低体重の患者では、エンタカポンの1回200mgへの増量は慎重に検討すること〔9.1.9参照〕。
- 本剤中止時
3.1. 本剤からエンタカポンを併用しないレボドパ・カルビドパによる治療に切り替える場合には、パーキンソン病症状が十分にコントロールされるよう、必要に応じてレボドパ増量等も考慮すること。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
国内における本剤のパーキンソン病患者における臨床試験成績は得られていない。副作用の発現頻度は、エンタカポン単剤の国内臨床試験成績に基づき分類した。
- 重大な副作用
1.1. 悪性症候群(1%未満):本剤の急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害(昏睡)、運動症状(高度筋硬直、ミオクローヌス、振戦)、不随意運動、精神状態変化(激越、錯乱等)、ショック状態、自律神経機能異常(頻脈、不安定血圧)等があらわれ、CK上昇を伴う横紋筋融解症又は急性腎障害に至るおそれがあるので、このような場合にはレボドパもしくはエンタカポンを増量、又は本剤を再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと〔2.2、8.2、8.3参照〕。
1.2. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること〔2.2、8.2、8.3参照〕。
1.3. 突発的睡眠(1%未満)、傾眠(5%以上):前兆のない突発的睡眠、傾眠があらわれることがある〔8.4参照〕。
1.4. 幻覚(5%以上)、幻視(1~5%未満)、幻聴(1~5%未満)、錯乱(頻度不明)、抑うつ(頻度不明)〔8.5、9.1.8参照〕。
1.5. 肝機能障害(頻度不明):胆汁うっ滞性肝炎等の肝機能障害があらわれることがある。
1.6. 溶血性貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)〔8.7参照〕。
1.7. 閉塞隅角緑内障(頻度不明):急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと〔2.3、8.1参照〕。
- その他の副作用
- 皮膚障害:(1%未満)多汗症、(頻度不明)発疹(紅斑性皮疹又は斑状丘疹状皮疹)、蕁麻疹、紫斑、*皮膚変色・*毛髪変色・*髭変色・*爪変色・*汗変色、脱毛症、血管浮腫。
- 精神障害:(5%以上)不眠症、(1~5%未満)悪夢、妄想、(1%未満)不安、病的性欲亢進、異常な夢、(頻度不明)激越、精神病、衝動制御障害(病的賭博、リビドー亢進、性欲過剰等)、易刺激性、失見当識、自殺企図、ドパミン調節障害症候群。
- 神経系障害:(5%以上)ジスキネジー(37.5%)、ジストニー、(1~5%未満)頭痛、浮動性めまい、体位性めまい、パーキンソニズム悪化(アップダウン現象等)、(1%未満)味覚異常、運動過多、振戦、(頻度不明)失神、回転性めまい、運動低下、オンオフ現象、精神的機能障害(記憶障害、認知症等)、感覚鈍麻。
- 眼障害:(頻度不明)霧視、視力障害。
- 胃腸障害:(5%以上)便秘(20.2%)、悪心、(1~5%未満)上腹部痛、※下痢[※:このような場合には、体重減少等の原因となることがあるため、患者の体重及び全身状態等に留意すること]、胃不快感、食欲不振、嘔吐、レッチング、消化不良、胃炎、(1%未満)腹痛、(頻度不明)鼓腸、大腸炎、腹部不快感、嚥下障害、食欲減退、口内乾燥、腹部膨満、流涎過多、口内炎、胃腸出血。
- 心臓障害:(頻度不明)心拍数不整、動悸、不整脈、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞等)。
- 肝胆道系障害:(1~5%未満)AST増加、ALT増加、(1%未満)γ-GTP増加。
- 腎及び尿路障害:(5%以上)*着色尿(14.4%)、(1~5%未満)尿潜血陽性、頻尿、BUN上昇、(頻度不明)尿閉、排尿異常。
- 血液及びリンパ系障害:(5%以上)貧血、(1~5%未満)ヘモグロビン減少、白血球数減少、赤血球数減少、白血球数増加、(1%未満)ヘマトクリット減少、鉄欠乏性貧血、(頻度不明)顆粒球数減少。
- 全身障害:(1~5%未満)けん怠感、末梢性浮腫、口渇、(頻度不明)疲労、無力症、歩行障害、胸痛、浮腫。
- 筋骨格系障害:(1~5%未満)関節痛、筋肉痛、(1%未満)背部痛、筋痙攣、(頻度不明)筋痙縮。
その他:(1~5%未満)CK増加、LDH増加、ALP増加、血圧低下、起立性低血圧、高血圧、体重減少、転倒、(1%未満)呼吸困難、(頻度不明)細菌感染、尿路感染、血清鉄減少、血圧上昇、DNA抗体陽性、クームス試験陽性、ほてり、発声障害、*唾液変色・*痰変色・*口腔内粘膜変色・*便変色。
*)皮膚・毛髪・髭・爪・汗、尿、唾液・痰・口腔内粘膜・便が赤褐色や黒色等になることがある。
使用上の注意
(禁忌)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 悪性症候群、横紋筋融解症又はこれらの既往歴のある患者〔8.2、8.3、11.1.1、11.1.2参照〕。
- 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある]〔8.1、11.1.7参照〕。
(重要な基本的注意)
- 本剤投与中の患者で閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい〔2.3、11.1.7参照〕。
- パーキンソン病患者において、まれに重度ジスキネジーに続発する又は悪性症候群に続発する横紋筋融解症があらわれることがある。また、エンタカポン投与中に横紋筋融解症の発現も報告されているので、患者の状態を注意深く観察しながら投与すること〔2.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
- パーキンソン病治療薬を突然中止した際に悪性症候群様症状や横紋筋融解症が発現するおそれがあるので、本剤及び他のドパミン系治療薬の中止が必要な場合は、患者の状態を十分観察しながら徐々に減量すること(本剤を徐々に減量したにもかかわらず何らかの症状・徴候が認められた場合には、必要に応じて他のレボドパ製剤を追加するなど適切な処置を行うこと)〔2.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
- 前兆のない突発的睡眠、傾眠、起立性低血圧等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転、高所での作業等、危険を伴う作業には従事させないように注意すること〔11.1.3参照〕。
- 自殺傾向を伴ううつ病、重篤な反社会的行動及び精神状態変化(幻覚、精神病等)が発現することがあるので、患者の精神状態を注意深く観察すること〔9.1.8、11.1.4参照〕。
- レボドパ又はドパミン受容体作動薬を投与された患者において、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにも関わらず持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害、ドパミン調節障害症候群の症状を説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと〔11.1.6参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
1.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:高血圧クリーゼのリスクが増大するおそれがある。
1.2. 胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある。
1.3. 重篤な心疾患又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある。
1.4. 肺疾患、気管支喘息のある患者:症状が悪化するおそれがある。
1.5. 内分泌系疾患のある患者:症状が悪化するおそれがある。
1.6. 糖尿病の患者:血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
1.7. 慢性開放隅角緑内障の患者:眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある。
1.8. 自殺傾向を伴ううつ病等の精神症状のある患者:精神症状が悪化するおそれがある〔8.5、11.1.4参照〕。
1.9. 体重40kg未満の低体重の患者:エンタカポンを1回200mg投与した場合、ジスキネジーの発現が増加することがある〔7.2.6参照〕。
(腎機能障害患者)
- 2.1. 腎障害のある患者:副作用の発現が増加するおそれがある。
(肝機能障害患者)
- 3.1. 肝障害又はその既往歴のある患者:肝障害のある患者でエンタカポンの血中濃度が上昇したとの報告がある〔7.2.5参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。レボドパ・カルビドパでは、動物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている。また、エンタカポンでは、生殖発生毒性試験において、ラットの1000mg/kg/日投与群で胎仔骨化遅延が認められている。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レボドパはヒト乳汁中に分泌される(レボドパ投与中、乳汁分泌抑制されるとの報告がある)。また、カルビドパ及びエンタカポンは動物(ラット)の乳汁に分泌されるとの報告がある。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している)。
(相互作用)
エンタカポンはカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤であり、COMTによって代謝される薬剤の血中薬物濃度を増加させる可能性があるので、このような薬剤と併用する場合には注意して投与すること。また、エンタカポンは薬物代謝酵素CYP2C9を阻害することが示唆されていることから、薬物代謝酵素CYP2C9により代謝される薬剤と併用する場合には注意して投与すること〔16.4参照〕。
- 2. 併用注意:
- COMTにより代謝される薬剤(アドレナリン、ノルアドレナリン、イソプレナリン、ドパミン等)[心拍数増加、不整脈、血圧変動があらわれるおそれがあるので、吸入を含めて投与経路にかかわらず注意すること(カテコール基を有するこれらの薬剤はCOMTにより代謝されるが、エンタカポンはこれらの薬剤の代謝を阻害し、作用を増強させる可能性がある)]。
- 選択的MAO-B阻害剤(セレギリン等)[血圧上昇等を起こすおそれがあるので、本剤とセレギリンを併用する場合は、セレギリンの1日量は10mgを超えないこと(選択的MAO-B阻害剤は用量の増加とともにMAO-Bの選択的阻害効果が低下し、非選択的MAO阻害による危険性があるため、本剤との併用により、生理的なカテコールアミンの代謝が阻害される可能性がある)]。
- ワルファリン[エンタカポンはR-ワルファリン(光学異性体)のAUCを18%増加させ、プロトロンビン比(INR値)を13%増加させたとの報告があるので、併用する場合にはINR等の血液凝固能の変動に十分注意すること(機序は不明である)]。
- 鉄剤(服用)[鉄剤の効果が減弱するので、鉄剤と併用する場合は、少なくとも2~3時間以上あけて服用すること(本剤は消化管内で鉄とキレートを形成することがある)]。
- レセルピン製剤、テトラベナジン[脳内ドパミンが減少し本剤の作用が減弱するおそれがある(脳内ドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる)]。
- 血圧降下剤(メチルドパ、レセルピン等)[血圧低下作用が増強されるおそれがある(作用機序は異なるが、本剤と血圧降下剤の併用により相加的血圧低下が起こる可能性がある)]。
- 抗精神病薬(フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)、ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール等)、その他(ペロスピロン等))[本剤の作用が減弱されパーキンソン病症状が悪化するおそれがある(これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される)]。
- 他の抗パーキンソン剤(抗コリン剤、アマンタジン、ブロモクリプチン)[精神神経系の副作用が増強されるおそれがある(それぞれの薬剤で精神神経系の副作用が報告されていることから、併用により精神神経系の副作用が増強されることがある)]。
- NMDA受容体拮抗剤(メマンチン等)[本剤の作用を増強するおそれがある(これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある)]。
- パパベリン[本剤の作用が減弱されパーキンソン病症状が悪化するおそれがある(明確な機序は不明であるが、次のような説がある:①パパベリンが線条体でのドパミン受容体を遮断する、②パパベリンがアドレナリン作動性神経小胞でレセルピン様作用を示す)]。
- イソニアジド[本剤の作用が減弱されパーキンソン病症状が悪化するおそれがある(機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている)]。
- イストラデフィリン[エンタカポンとイストラデフィリンとの併用によりジスキネジーの発現頻度の上昇が認められた(機序は不明である)]。
- スピラマイシン[レボドパの血中濃度が低下し本剤の作用が減弱するおそれがある(カルビドパの吸収が阻害されることにより、レボドパの血中濃度が低下したとの報告がある)]。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
ニトロプルシドナトリウム水和物の検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽性になる場合がある。また、グルコースオキシダーゼ法を用いた場合、糖尿の検査結果が偽陰性を呈することがある。
(過量投与)
- 症状
過量投与時、急性症状としては激越、錯乱、昏睡、徐脈、心室性頻脈、チェーン・ストークス呼吸、皮膚変色・舌変色・結膜変色、着色尿等が報告されている。また、エンタカポンの過量投与による急性症状としては活動性低下、傾眠、蕁麻疹等が報告されている。なお、過量投与例の最高1日投与量はレボドパでは10000mg以上(海外)、エンタカポンでは40000mg以上(海外)であった。
- 処置
過量投与時、必要に応じて入院を指示する(また、呼吸器系、循環器系及び腎臓が適切に機能しているか慎重に観察する)。過量投与時、不整脈を起こす可能性がある場合は、心電図のモニタリングを実施し、患者を注意深く観察するとともに、必要に応じて適切な抗不整脈治療を行う。
(適用上の注意)
- 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(その他の注意)
- 臨床使用に基づく情報
1.1. 麦角系ドパミン作動薬を併用(ブロモクリプチン、ペルゴリド等)した患者において、線維性合併症が報告されている。
1.2. 本剤は起立性低血圧を誘発することがあるので、起立性低血圧を引き起こすおそれのある薬剤服用中(α遮断剤、α・β遮断剤、交感神経末梢遮断剤等)の場合には注意すること。
1.3. エンタカポン単剤の国内臨床試験(8週投与)において、エンタカポンはUPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)Part1(精神機能、行動及び気分)、Part2(日常生活動作)、Part3(運動能力検査)の改善効果でプラセボ群との間に有意な差は認められなかった。
1.4. レボドパは特定のアミノ酸と競合するため、高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告がある。
1.5. 抗パーキンソン剤はフェノチアジン系化合物、レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない(場合によってはこのような症状を増悪顕性化させることがある)。
1.6. 悪性黒色腫が発現したとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。