けっかんにくしゅ
血管肉腫
血管に起こる悪性軟部腫瘍の1つ。まれな病気であるため、原因や腫瘍の発生するメカニズムなど未だ分からないことが多い
7人の医師がチェック 95回の改訂 最終更新: 2022.04.06

血管肉腫の基礎知識

POINT 血管肉腫とは

血管から発生するがん(悪性腫瘍)を血管肉腫といいます。頭の血管から発生することが多いとされていますが、原因や発生のメカニズムは不明です。血管肉腫ができると、皮膚が淡紅色から暗紅色に色づくことがあり、打撲後と似ています。診断のためにレントゲン検査やCT検査、MRI検査といった画像検査が行なわれます。治療法が確立されていないため、手術や抗がん剤治療、放射線治療が組み合わせて治療されます。まれな病気でありますが、頭に打撲の後に似たできものがある場合は血管肉腫は可能性の一つして考えられます。皮膚科を受診してください。

血管肉腫について

  • 血管そのものに発生する、がんの一種
    • 頭に起こることが多い(約50%)
  • 原因やメカニズムなど分からないことが多い
  • 肺に転移することがある
  • 悪性軟部腫瘍の1-2%を占める
    • 60歳以上の高齢者に多い

血管肉腫の症状

  • 打撲のような痕:淡紅色から暗紅色の打撲のような痕が頭にできる
  • 出血:弱い刺激でも出血しやすくなる

血管肉腫の検査・診断

  • 画像検査:肉腫の有無を確認する
    • レントゲン検査(X線写真)
    • CT検査
    • MRI検査
    • 骨シンチグラフィ

血管肉腫の治療法

  • 現時点で特別に定まった治療はなく、議論が分かれている
    • 化学療法抗がん剤
    • 放射線療法腫瘍に放射線を当てて、腫瘍の組織を壊す
    • 手術:腫瘍とその周りの組織を取り除く
  • 平均の5年生存率は6-17%と言われている

血管肉腫に関連する治療薬

インターロイキン-2製剤

  • リンパ球などの免疫細胞に結合し、これらの細胞を活性化することで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • リンパ球であるT細胞やNK(ナチュラルキラー)細胞などは免疫反応において重要な役割を担い抗腫瘍効果などにも関わる
    • 本剤はT細胞やNK細胞などに結合し腫瘍を障害する作用をあらわす
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血管肉腫のタグ

血管肉腫に関わるからだの部位