◆乳房シリコン手術とがんの関連性を検証
乳房シリコン手術は、がんや外傷などにより失った乳房を再建したり、豊胸手術としても用いられることがあります。
今回の研究では、過去の32件の研究をまとめて、乳房シリコン手術とがんの発症との関連性を検証しました。
◆乳房シリコン手術は、乳がん、子宮体がんを減らし、肺がん、リウマチを増やす?
以下の結果が得られました。
原発性乳がん、子宮体がんのリスク減少、肺がん、関節リウマチ、シェーグレン症候群、レイノー症候群のリスク増加と関連する可能性が認められた。
乳房シリコン手術を行った人では、乳がん、子宮体がんを発症する危険性が低下していた一方で、肺がん、関節リウマチなどを発症するリスクは増えるかもしれないという結果でした。
乳房シリコン手術と乳がん、子宮体がんなどが関連しているメカニズムは不明です。その背景には何かしらの要因が関わっている可能性があるので、この結果だけで乳房シリコン手術に病気を防いだり病気を起こしたりする影響があるとは言えませんが、このような関連性があるかもしれないということは、今後検証の課題になるかもしれません。
執筆者
Long-Term Health Outcomes in Women with Silicone Gel Breast Implants: A Systematic Review.
Ann Intern Med. 2015 Nov 10
[PMID: 26550776]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。