2015.11.13 | ニュース

インフルエンザの薬、4種類のうち一番効いたのは?

2012年から2013年のシーズンで流行したインフルエンザ感染症を分析

from Chemotherapy

インフルエンザの薬、4種類のうち一番効いたのは? の写真

インフルエンザ感染症に使われる薬は複数ありますが、どの薬で効果が大きいかは知られていません。今回の研究では、4つの薬のうち、発熱期間が短く、症状の回復に効果がある薬はどれか検証しました。

◆インフルエンザウイルスの抗ウイルス薬はどれがより効果的か?

今回の研究では、インフルエンザ感染症と診断された患者191人を以下の4つの群に分け、その効果を比較しました。

  • オセルタミビル(商品名:タミフル)
  • ザナミビル(商品名:リレンザ)
  • ラニナミビル(商品名:イナビル)
  • ペラミビル(商品名:ラピアクタ)

これらの抗ウイルス薬は、ノイラミニダーゼ阻害薬と呼ばれる薬です。ウイルスの増殖を防ぎます。オセルタミビルは飲み薬として、ザナミビルとラニナミビルは吸入で、ペラミビルは点滴で使います。

 

◆ペラミビルが一番効果あり?

以下の結果が得られました。

ペラミビルは、ザナミビル(p=0.0002)、オセルタミビル(p=0.0059)と比べて有意に発熱の緩和がより早かったが、ラニナミビルとは有意な差は見られなかった(p=0.0457、p<0.0083)。

他の症状についても、他のNAIsと比べてペラミビルでより早く改善した。

ペラミビルが発熱やその他の症状をより早く改善するという結果でした。

 

実際には、飲み薬や吸入剤よりも点滴が適切かどうかは患者の状態に応じて検討され、必ずしもペラミビルが最も優れた薬ということではありません。また、抗ウイルス薬は使い続けることでウイルスに耐性ができて効きにくくなるリスクがあり、耐性を防ぐという面からも適切な薬を選ぶ必要があります。 この結果は、効果の違いが特に重要になる場面で参考にできるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Clinical effects of oseltamivir, zanamivir, laninamivir and peramivir on seasonal influenza infection in outpatients in Japan during the winter of 2012-2013.

Chemotherapy. 2013 May

[PMID: 24821568]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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