2015.10.14 | ニュース
インフルエンザシーズンにリスクが高い妊婦はどんな人?
アメリカの研究チームが620万人を分析
from Obstetrics and gynecology

(C) UBER IMAGES - Fotolia.com
インフルエンザが流行する季節も近づいてきました。今回の研究では、インフルエンザシーズンにおいて、妊婦が呼吸器症状を発症する危険性と関連する要因を検証しました。
◆ 呼吸器症状を発症する危険性に関連する要因を検証
今回の研究は、インフルエンザシーズンに入院した妊婦6,277,508人を対象に分析が行われました。 そのうち呼吸器症状があった妊婦にどのような要因が関連していたか検証しました。
◆妊婦の呼吸器症状の出現には、入院したときの妊婦の状態が関連
以下の結果が得られました。
呼吸器症状は、インフルエンザワクチンの接種が推奨された危険性の高い状態で入院した妊婦では、併存症がない状態で入院した妊婦よりも3から6倍、診断される可能性が高かった(出産なしのオッズ比3.2、95%信頼区間3.0-3.5、出産ありのオッズ比6.0、95%信頼区間5.2-6.9)。
呼吸器症状は、インフルエンザのリスクが高いとされる、慢性心疾患、慢性肺疾患、糖尿病、慢性の腎疾患などの病気を持っている妊婦に3から6倍の確率で出現するという結果でした。また、呼吸器症状を発症した妊婦では、出産にともなう合併症がが起こる危険性がより高いことがわかりました。
この時期の妊婦さんはインフルエンザ感染に少し敏感になることもあるかと思います。妊婦さんのインフルエンザワクチン接種は推奨されているので、医師への相談を考えても良いかもしれません。
執筆者
参考文献
Hospitalizations with respiratory illness among pregnant women during influenza season.
Obstet Gynecol. 2006 Jun
[PMID: 16738158]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。