2015.09.26 | ニュース

ココアで動脈硬化を予防できるかもしれない?

ランダム化比較試験により検証

from The British journal of nutrition

ココアで動脈硬化を予防できるかもしれない? の写真

ココアに含まれるフラバノールの効果として、心筋梗塞など心血管系疾患の患者の血管の状態を改善することが知られています。今回の研究は、健常者においてもそのような効果が見られるか検証しました。

◆ココア飲料を飲む群とフラバノール抜き飲料を飲む群にランダムに振り分け

35歳から60歳の健康な成人100名を、ココアフラバノール飲料を飲む群と対照群にランダムに分けました。ココアフラバノール飲料を飲む群では、予備研究で確認した容量450mgのフラバノールを含むものを1日2回、1ヶ月間飲みました。対照群では、フラバノール以外はまったく同じ成分の飲み物を飲みました。

それらの効果を、血管の状態を評価でき、動脈硬化との関連が報告されている血流依存性血管拡張反応やその他、血圧やコレステロール値で検証しました。

 

◆ココアフラバノールを飲むと血管の状態が改善する

以下の結果が得られました。

1ヶ月の時点で、ココアフラバノールは対照群よりも血流依存性血管拡張反応を1.2%(95%信頼区間1.0-1.4%)増やした。 ココアフラバノールは、収縮期血圧を4.4mmHg(95%信頼区間0.9-7.9mmHg)、拡張期血圧を3.9mmHg(95%信頼区間0.9-6.7mmHg)、脈波速度を0.4m/s(95%信頼区間0.04-0.8m/s)、総コレステロール値を0.20mmol/l(95%信頼区間0.01-0.39mmol/l)、LDLコレステロール値を0.17mmol/l(95%信頼区間0.02-0.32mmol/l)減少した一方、HDLコレステロール値を0.10mmol/l(95%信頼区間0.04-0.17mmol/l)増加した。

ココアフラバノール飲料を飲むと、血管の状態、血圧やコレステロール値が改善しました。

 

動脈硬化の指標が改善したということで、もしかしたら心筋梗塞などの心血管系疾患の発症予防に役立つ可能性があるかもしれません。

ただし、1日にフラバノール900mgを摂取することは、一般的なココアを飲んだだけでは足りない可能性が高いため、成分量に注意が必要です。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Cocoa flavanol intake improves endothelial function and Framingham Risk Score in healthy men and women: a randomised, controlled, double-masked trial: the Flaviola Health Study.

Br J Nutr. 2015 Sep 9

[PMID: 26348767]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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