◆フラバノールの量を変えた3群にランダムに分類
認知障害が見られない高齢者90名を、フラバノールを多量に含んだココアを飲む群、中等度の量を含んだココアを飲む群、少量を含んだココアを飲む群の3群にランダムに分けました。
8週間後、一般的な認知機能、注意機能、言語機能が向上しているか検証しました。
◆ココアを飲むと注意機能、言語機能が向上
以下の結果が得られました。
3つの異なる治療において、MMSEの変化量に違いはなかった。
対照的に、認知機能の特定の側面に対する介入の正の効果はあった。TMTのAとBを遂行するのに要した時間の平均変化量(±SEs)は、フラバノールが多量に含まれた飲み物を飲んだ群(Aについて-8.6 ± 0.4秒、Bについて-16.5 ± 0.8 秒)、中等度の量を含んだ飲み物を飲んだ群(-6.7 ± 0.5秒、-14.2 ± 0.5 秒)では、少量を含んだ飲み物を飲んだ群(-0.8 ± 1.6秒、 -1.1 ± 0.7秒)とは有意に異なる結果であった(P < 0.0001)。
フラバノールを多量または中等度の量を含んだココアを飲むと、少量を含んだココアを飲むよりも注意機能が良くなったという結果でした。また、言語機能においても同様の結果でした。
ポリフェノールは様々な効果が報告されています。認知機能に対する確立された治療法はまだないため、このような食事療法でもし改善するのであるとしたら、今後に期待したいです。
執筆者
Cocoa flavanol consumption improves cognitive function, blood pressure control, and metabolic profile in elderly subjects: the Cocoa, Cognition, and Aging (CoCoA) Study--a randomized controlled trial.
Am J Clin Nutr. 2015 Mar
[PMID: 25733639]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。