◆膝に幹細胞を移植し、その後の膝の機能を追跡調査
変形性膝関節症で膝の軟骨に異常が認められ、幹細胞移植を行った24名を、手術後2年間の時点で評価しました。
膝の機能や動作能力、画像状態を評価し、移植前からの変化を検証しました。
◆移植手術により軟骨は修復し、膝の機能や動作能力が改善
以下の結果が得られました。
臨床指標は有意に改善した(どちらもp<0.001)。
最終追跡時の臨床指標と、追跡時のMRIによるMOAKS、MOCARTスコアは有意に関連していた(すべてp<0.05)。
膝に幹細胞を移植すると、2年後の膝の機能や動作能力は改善し、その改善と軟骨の修復程度は関連しているという結果でした。
筆者らは、「[...]間葉幹細胞移植は、変形性膝関節症における軟骨障害の修復に有用であると思われる。」と結論付けています。
変形性膝関節症により、膝の軟骨が壊れてしまうと自然に治ることは困難です。衝撃を吸収する働きをもつ軟骨の破壊により、骨に負担がかかり、変形や痛みの発生につながります。そのような状況に明るい情報かもしれません。今後のさらなる検証に期待します。
執筆者
Assessment of clinical and MRI outcomes after mesenchymal stem cell implantation in patients with knee osteoarthritis: a prospective study.
Osteoarthritis Cartilage. 2015 Aug 26
[PMID: 26318655]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。