2015.07.26 | ニュース
芍薬の成分ペオニフロリンが歯周病による炎症と骨のダメージを抑えた
中国でラットの実験
from Journal of periodontal research

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漢方で使われる芍薬には、ペオニフロリンという炎症を抑える物質が含まれています。中国の研究班が、歯周炎を起こしたラットにペオニフロリンを与えたところ、炎症反応と歯槽骨の減少が抑えられる変化が見られました。
◆ラットに歯周炎を起こす
研究班は、実験のため次のようにラットを用意しました。
28のラットがランダムに4グループに分けられた:健康群、歯周炎群、歯周炎+30mg/kgペオニフロリン(P30)群、歯周炎+60mg/kgペオニフロリン群。
ラットの歯に糸を巻き付けることで歯周炎が起こるようにし、ペオニフロリンを与えない場合と、量を変えて与えた場合との変化を比較しました。
◆骨の損失と炎症を抑える
実験から次の結果が得られました。
ペオニフロリンは用量依存的に歯槽骨の損失と炎症性浸潤を有意に防いだ。
歯周炎を起こしたラットでは、ペオニフロリンを多く与えるほど、歯の根元の骨のダメージと、歯の周りの炎症反応が抑えられていました。
歯周炎・歯肉炎によって抜歯や入れ歯の治療が必要になると、その後の生活に大きく影響します。もし予防効果のある薬ができれば、歯を大事にしたい多くの人に関係するかもしれません。
執筆者
参考文献
Protective effects of paeoniflorin on alveolar bone resorption and soft-tissue breakdown in experimental periodontitis.
J Periodontal Res. 2015 Jul 14 [Epub ahead of print]
[PMID: 26179445]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。