◆がんがある人とない人の検査
研究班は、頭頚部がんがある人56人と、がんがない人90人を対象として、ピロリ菌の検査を行い、がんとピロリ菌感染に関連があるかどうかを調べました。
◆関連は見られず
次の結果が得られました。
血清検査陽性率、迅速ウレアーゼ試験陽性率は、ロジスティック回帰分析で2群に差がなかった(血清検査についてP=0.677、迅速ウレアーゼ試験についてP=0.633)。
血液検査と、胃の組織を切り取る検査でピロリ菌を調べたところ、頭頚部がんがある人とない人で、検査結果に統計的な違いが見られませんでした。
研究班は「この研究はヘリコバクター・ピロリが頭頚部扁平上皮がんのリスク因子であるかもしれないという考えを疑う」と結論しています。
いろいろな側面が知られているピロリ菌ですが、頭頚部がんの原因とは言えなさそうな根拠が加わりました。ただし、頭頚部がんにはいくつか種類があり、そのうちのどれかと関係がある可能性も完全に否定されたわけではありません。
感染と関連が疑われている頭頚部がんの研究をほかに紹介していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
「ヒトパピローマウイルスのいる中咽頭がんが20年で3倍に?」
http://medley.life/news/item/5591450970bc218e01e77f18
執筆者
Detection of Helicobacter pylori in patients with head and neck cancer: Results from a prospective comparative study combining serology, polymerase chain reaction, and rapid urease test.
Head Neck. 2014 Dec 18 [Epub ahead of print]
[PMID: 25522348]
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