◆トリガーポイント鍼治療群とコントロール群に分類
今回の研究では、トリガーポイントという、押すとその他の部位へ痛みが現れると言われている部位に鍼を打つ方法の効果を調べました。
研究班は片側の首の痛みが3ヶ月以上続いている患者72名を、 僧帽筋下部繊維のトリガーポイントに近い部分に鍼治療を行う群と、 トリガーポイントを外して僧帽筋下部繊維に鍼治療を行う対照群に振り分け、1週間後と1ヶ月後に、首の痛みの改善度合いを比較しました。
◆トリガーポイントへの鍼治療で首の痛みが改善
調査の結果、以下のことが報告されました。
僧帽筋下部繊維のトリガーポイントに近い部分に鍼を打つと、ベースラインおよびコントロール群と比較して、[...]、首の痛み、PPTが減少した(p<.001)。
トリガーポイントへの鍼治療テクニックにより、より大きい治療効果が認められた(p<.001)。
僧帽筋のトリガーポイントに鍼治療を行ったときに、それ以外の部位に鍼治療を行うよりも、治療効果が大きくなりました。
鍼治療に行かれる方のなかには、実際に痛い部位ではなく、その他の部位に鍼を打たれたけれども、痛みが楽になるという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。どの部位に鍼を打てばより効果的であるか、という検証は発展途上ですが、今後に期待したいですね。
執筆者
Effectiveness of dry needling on the lower trapezius in patients with mechanical neck pain: a randomized controlled trial.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 May
[PMID: 25582412]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。