インフルエンザが重症化しやすい子どもの6つの特徴

インフルエンザは進行して肺炎やインフルエンザ脳症などの重い病気につながることがあります。イギリスの研究班が、最近発表された研究をまとめ直すことにより、インフルエンザが重症化しやすい子どもの6つの特徴を特定しました。この研究では、WHOなどの治療ガイドラインとは一部異なる結果が出ました。
◆最近の研究をまとめ直して統計分析
これまでの治療ガイドライン等では、重症化しやすい人の特徴(リスク因子)を挙げ、当てはまる人にワクチンを接種することを勧めています。しかし、そこで挙げられたリスク因子は経験から知られていただけで、客観的な統計情報としてはまとめられていませんでした。
研究班は、最近論文として発表された27件の研究から、14,086人の子どものインフルエンザの治療例をまとめ直し、統計分析を行いました。重症化の基準として、「インフルエンザまたはインフルエンザに似た病気が原因で入院した」という例について調べました。
◆入院のリスク因子6点を特定
入院が多くなっていたリスク因子は
の6点でした。
このうち「早産児として産まれた」というリスク因子はガイドラインには挙げられていません。また、ガイドラインでリスク因子とされている「肥満」「喘息を含むRSウイルス感染症」は関連が見られませんでした。
複数のリスク因子を持つ場合は、1つしかリスク因子がない場合に比べてさらに重症化しやすい傾向があり、2歳未満の子どもでほかのリスク因子がない場合は52%、ある場合は74%が重症化していました。
必ずしも治療ガイドラインのとおりではないこの結果について、実際に子どものインフルエンザを治療している医師の方はどう思われるでしょうか。
執筆者
Identification of children at risk of influenza-related complications in primary and ambulatory care: a systematic review and meta-analysis.,
Lancet Respir Med.. 2015 Feb
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。