◆11年間取り続けたデータを分析
国立病院機構南京都病院などから集まった研究班は、1999年から2009年までに脳卒中を発症し、京都脳卒中登録 (KSR) に登録された13,788人の情報を統計分析し、曜日によって脳卒中の発症率が違うかどうかを調べました。
その結果、脳卒中の発症が最も少ないのは日曜日で、最も多いのは月曜日だとわかりました。
◆脳梗塞は月曜日の発症が日曜日のオッズ比1.189倍
脳卒中を更に詳しく分けて脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に区別して調べると、脳梗塞の発症が月曜日に多く、日曜日に比べてオッズ比1.189倍にのぼることがわかりました。脳出血とくも膜下出血には曜日によって統計的に有意な差がありませんでした。
研究班は、曜日によって発症率が違うことから、「長期間にわたって積み重なった要因以外にも、発症の引き金になる要因があるのではないか」という仮説を唱えています。
月曜日に脳梗塞が起こりやすいのはどうしてなのか、その理由はまだ解明されていません。現場で働かれる医師の方にとって、この研究結果はどのように映るのでしょうか?
執筆者
Weekly variations of stroke occurrence: an observational cohort study based on the Kyoto Stroke Registry, Japan.
BMJ Open. 2015 Mar 24
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。