2016.08.01 | ニュース

脂肪肝の運動療法はジョギングより軽い運動でもよかった

208人の比較から

from JAMA internal medicine

脂肪肝の運動療法はジョギングより軽い運動でもよかったの写真

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、肝臓に脂肪がたまっている状態で、長年のうちに肝臓の機能悪化などにつながります。運動が良いとされていますが、あまり強い運動でなくても同程度の効果があったとする研究結果が報告されました。

◆NAFLDの運動療法はジョギングかウォーキングか?

ここで紹介する研究は、NAFLDの患者を対象に、運動療法の効果を調べたものです。

対象者は3つのグループに分けられ、違った運動療法を割り当てられました。

  • 最初の6か月は毎週150分のジョギング、次の6か月は毎週150分の早歩きをするグループ
  • 毎週150分の早歩きを12か月続けるグループ
  • 運動療法をしないグループ

12か月の運動療法後に、3グループ合計208人で肝臓にたまっている中性脂肪の量が計測され、グループごとに比較されました。

 

◆ウォーキングだけ12か月でも同程度

次の結果が得られました。

12か月後の評価で、肝内中性脂肪含有量は対照グループと比べて強い運動-中等度の運動グループで3.9%(95%信頼区間-6.0%から-1.7%、P<0.001)減少し、中等度の運動グループで3.5%(95%信頼区間-5.6%から-1.3%、P=0.002)減少した。強い運動-中等度の運動グループと中等度の運動グループの間で、6か月後および12か月後の肝内中性脂肪含有量の変化量は有意差がなかった。

12か月の運動療法のあと、運動療法をしないグループと比べると、最初の6か月にジョギングをしていたグループと、早歩きだけを続けたグループで、肝臓の中性脂肪が減っていました。中性脂肪が減った量は、ジョギングをしたグループと早歩きだけのグループで差がありませんでした

 

運動は多くの面で健康に良い効果があります。早歩きだけでも続けることは大切です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Effects of Moderate and Vigorous Exercise on Nonalcoholic Fatty Liver Disease: A Randomized Clinical Trial.

JAMA Intern Med. 2016 Jul 5. [Epub ahead of print]

[PMID: 27379904]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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