2016.03.01 | ニュース

赤ちゃんに突然の発作、「点頭てんかん」の薬はどれぐらい効く?

230人の治療経過から

from Annals of neurology

赤ちゃんに突然の発作、「点頭てんかん」の薬はどれぐらい効く?の写真

手を上げて頭を下げる特徴的な動きから「点頭てんかん」とも、別名ウエスト症候群とも呼ばれる種類のてんかんは、おもに1歳前後の乳幼児に起こります。治療にはホルモン剤などの薬が使われます。代表的な薬に効果が見られる割合が調査されました。

◆230人の経過を集計

研究班は、新たに点頭てんかんと診断された子ども230人を対象として、どのような治療が行われたか、その後の経過がどうなったかを集計しました。

行われた治療ごとに分けて、一定基準以上の効果が見られた割合を計算しました。

 

◆ACTHで55%、ビガバトリンで36%

次の結果が得られました。

初期治療としてACTHを使った乳児のうち55%に応答があり、対して経口副腎皮質ステロイドでは39%、ビガバトリンでは36%、そのほかの治療では9%に応答があった(P<0.001)。

初期治療がACTH(副腎皮質刺激ホルモン)だった場合、55%に効果が見られました。ステロイド薬では39%、抗てんかん薬のビガバトリン(日本では2016年2月に承認了承)では36%に効果が見られました。

 

どの治療薬も大多数に有効とは言い難いものの、こうした報告を参考に、ある程度期待できるものを選ぶことができます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Response to treatment in a prospective national infantile spasms cohort.

Ann Neurol. 2015 Dec 24. [Epub ahead of print]

[PMID: 26704170]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る