Beta 高山病のQ&A
消化器症状
- 食欲不振
- 吐き気
- 嘔吐
疲れやすさや体のだるさ、脱力感
顔や手のむくみ、しびれ
めまい、ふらつき
睡眠障害(眠気、あくびなど)
息切れ
咳
血の混じった痰
喀血
鼻血
頻脈(目安として1分間に100回以上の脈をうつ)
呼吸の回数が早くなる(目安として1分間に25回以上)
全身にチアノーゼ症状が現れる
- 体や顔の色が青紫色になる
意識障害
- もうろうとする
運動能力低下
頭痛に対する薬
- ロキソニン錠
- カロナール錠
吐き気や嘔吐、悪心に対する薬
- ナウゼリン錠
- プリンペラン錠
酸素吸入
薬物治療
- ダイアモックス錠
- デカドロン錠
精神状態の悪化
- 意識朦朧(もうろう)
- 錯乱
ふらつきなど運動失調など
高所肺水腫(HAPE)の症状
- 呼吸困難感
- 筋力低下や衰弱
- 頻呼吸
頻脈など
酸素の濃度の低下に体が慣れるためにもゆっくりと高度を上げていく
- 目安として標高が3,000m以上の山を登る場合は1日に登る高さを300mから500mに設定する
- 3日から4日おきに1日休む日を設けるようにする
体内の酸素濃度の目安になるパルスオキシメータを使用して体調管理しておく
海外の標高の高い山を登る場合は事前に富士山などある程度高い山に登って慣らしておく
睡眠時間をしっかりとる
水分を十分に摂るようにする
アルコールは避ける
喫煙を避ける
睡眠薬は避ける
予防目的で薬を服用する
- ブルフェン錠(頭痛の対処)
- ダイアモックス錠(頭痛含め吐き気など高山病の発症予防)
- デカドロン錠(基本ダイアモックス錠を使用するが、必要に応じて使う)
体調が良くない場合はなるべく安静にする、高度を上げないようにする
高山病の主な症状について教えてください
高山病は標高の高い山に登った際に、体内の酸素濃度が急激に低下することによって現れる病気のことです。高山病になった場合、頭に酸素がいかなくなるために頭痛がおきます。頭痛以外に以下のような症状が、少なくとも1つ以上現れる場合に高山病と診断されます。
高山病の症状が重症化するとどうなりますか?
高山病の症状が重度化すると高所脳浮腫(HACE)と高所肺水腫(HAPE)と呼ばれる状態になってしまい、即座に下山、適切な治療が必要になります。適切な治療が行われないと最悪死に至るため注意が必要です。
高所脳浮腫は精神状態の変化や意識障害、ふらつきといった運動失調が現れます。
高所肺水腫になった場合は、以下のような症状が現れます。
高所脳浮腫と高所肺水腫は、標高2,500m以上の地点に達した場合、1日以上経過した後に現れる傾向にあります。適切な治療を行うためにも以上の症状について確認しておきましょう。
高山病になったときの治療法、対処方法について教えてください
標高が高い山は大気中の酸素の圧力(大気中に含まれる酸素の量に近い)が平地に比べ減少しています。そのため高い山では酸素を取り込むのが難しくなり、血液中に含まれる酸素が急激に減少してしまいます。すると、頭痛をはじめとして吐き気や嘔吐、食欲がなくなるといった消化器の症状や、めまいや体全体がだるいといった症状が現れます。重症化するとじっとしていても呼吸困難感や咳、頻脈やチアノーゼが現れ注意が必要になります。
高山病になった場合、症状の重症度に合わせて治療を選択します。
◎症状が軽度の場合
症状が軽症の場合は、まず現在いる地点より標高を上げないようにして安静にし、治療薬を服用します。通常は1日もしくは2日で回復しますが、病状が改善しなければ下山するようにしましょう。
治療薬は基本的にはダイアモックス錠を服用し、それ以外に症状に合わせて以下のような種類の薬を飲みます。
◎症状が中等度の場合
症状が中等度の場合もしくは上で述べた対処および治療で改善しない場合は、以下のような治療を行いつつ安静にします。また出来る限り下山するようにします。
◎症状が重度の場合
高山病が重度な場合は高所脳浮腫(HACE)や高所肺水腫(HAPE)という状態になります。高所脳浮腫(HACE)や高所肺水腫(HAPE)の症状は以下になります。
これらの症状が見られる場合は即座に下山します。下山が困難な場合は救急隊を要請してヘリコプターを待つようにしましょう。ただし、ヘリコプターが到着するまで時間がかかりますので携帯型の加圧バッグを使用して酸素を吸入して下さい。
薬物療法は高所脳浮腫に対してはデキサメサゾン、高所肺水腫にはニフェジピンが有効と言われていますが、医療者が同行していること、もしくは衛生携帯電話や無線などを使用して医療者と連絡が可能な場合にしか使用することが許可されていません。脳浮腫がある場合はデカドロンの静脈注射や筋肉注射などが使用されます。
症状が悪化してしまうと下山が難しくなりますので、症状が軽いうちに適切な判断と治療が大切になります。手遅れになることがあるため、下山は躊躇しないようにしましょう。
高山病を防ぐための予防法について教えてください
高山病を防ぐために以下のような方法があります。