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メタボリックシンドローム
肥満に加えて、糖尿病、高血圧、脂質異常症のうちいずれか2つ以上を発症している状態
8人の医師がチェック 109回の改訂 最終更新: 2020.12.02

メタボリックシンドロームの基礎知識

POINT メタボリックシンドロームとは

腹囲が男性85cm女性90cmを超えてかつ①高血圧・②高血糖・③脂質代謝異常の3条件のうち2つ該当するとメタボリックシンドロームと診断されます。腹囲は内臓脂肪型肥満の目安とされます。運動不足・食べ過ぎなどの生活習慣の積み重ねが原因である場合が多く、将来的に心筋梗塞や脳梗塞などを起こす動脈硬化のリスクが高くなります。メタボリックシンドロームと診断された場合は、ほとんどが生活習慣を改善する事により、重篤な病気を予防することができると考えられています。長期的な改善・努力が必要ですが、なかなか難しいと思われる場合は、お医者さんに相談し生活指導を受けると良いです。

メタボリックシンドロームについて

  • 肥満に加えて、糖尿病、高血圧、脂質異常症のうちいずれか2つ以上を発症している状態
  • 食べ過ぎや運動不足などの生活習慣の乱れが原因となっていることが多い
  • 男性では30歳を超えると25%程度の人、女性では60歳を超えると10%以上の人がメタボリックシンドロームである
    • 年齢とともに患者割合は増えていく傾向にあり、特に男性で多い

メタボリックシンドロームの症状

  • メタボリックシンドロームだけでは特に症状はない
  • それに伴う動脈硬化による脳梗塞心筋梗塞などのリスクが高まる

メタボリックシンドロームの検査・診断

  • 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上
    • 男女ともに、腹部CTの内臓脂肪面積が100㎠以上に相当
  • 腹囲に加えて、以下の3つ(脂質異常、高血圧、高血糖)のうち2つ以上を満たす場合に診断される
  • 脂質異常症 
    • 中性脂肪:150mg/dL以上
    • HDLコレステロール:40mg/dL未満
    • 上記のいずれかまたは両方を満たす
  • 高血圧
    • 最高血圧(収縮期血圧):130mmHg以上
    • 低血圧拡張期血圧):85mmHg以上
    • 上記のいずれかまたは両方を満たす
  • 高血糖  
    • 空腹時血糖値:110mg/dL以上

メタボリックシンドロームの治療法

  • 運動習慣の徹底
  • 食生活の改善
  • 禁煙
  • 減量
  • 高血圧、脂質異常症糖尿病に対する薬物療法
    • これらの危険因子が増えることによって動脈硬化が進み、虚血性心疾患脳梗塞などのリスクが高まることが知られている

メタボリックシンドロームの経過と病院探しのポイント

メタボリックシンドロームが心配な方

メタボリックシンドロームは一つの病気というよりも、他の病気を引き起こすリスクが高い状態といった方が良いかもしれません。健康診断などでメタボリックシンドローム、あるいはその可能性が高いなどと指摘されたことのある方は多いのではないでしょうか。

メタボリックシンドロームの診断基準は次のようになっています。必要条件を満たした上で、1-3のうち2つ以上を満たした場合がメタボリックシンドロームに該当します。

- [必要条件] ウエスト周囲:男性85cm以上、女性90cm以上
- [1] 中性脂肪 150mg/dl以上 または HDLコレステロール 40mg/dl未満
- [2] 収縮期血圧 130mmHg以上 または 拡張期血圧 85mmHg以上
- [3] 空腹時血糖 110mg/dl以上

男性では内臓脂肪が少なくとも筋肉質であるとウエストが85cmを越えやすくなりますし、上記を満たしたからと言って全員が病気になりやすいというわけではありません。日本の人口を全体的に見るとメタボリックシンドロームの診断基準を満たした方にはその傾向があるとは言えますが、個人個人にとってみると例外もあるため、それを認識した上で用いるべき基準であると言えます。

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メタボリックシンドロームでお困りの方

メタボリックシンドロームの診断のうち、中性脂肪、HDLコレステロール、空腹時血糖は血液検査で行います。正確に測定をするためには、起きて午前中のうちに採血をすること、朝食は抜いた状態で採血をすること、前日の夕食は揚げ物やカレーライスなど油分の多いものを避けることといった注意点があります。

メタボリックシンドロームを始め同様の生活習慣病(高血圧、脂質異常症糖尿病)の程度が強い場合には、それが分かった段階で心臓の異常がないか、動脈硬化が進んでいないかなどを、心電図や脈波測定検査、頚動脈エコーで確認します。特に脈波測定検査や頸動脈エコー検査は総合病院か、もしくは一部のクリニックでしか行われていません。メタボリックシンドロームの診療科は一般内科や、循環器内科、糖尿病内科や代謝内科が主体となります。

治療の主体は運動習慣、食習慣に対する取り組みです。血圧を下げる薬やコレステロールを下げる薬は短期的には有効ですが、薬だけで数値を改善させても運動習慣や食習慣が変化しないと長期的には十分な治療がしづらいところが難しい点です。

数値の変化を追っていくには定期的な通院が必要となりますので、何よりも主治医との相性や病院の通いやすさが重要です。信頼できて食事や運動など日常生活の悩みをしっかり相談できる主治医を見つけることはとても大切になります。また、メタボリックシンドロームがあると心筋梗塞脳卒中など、様々な他の病気を発症しやすくなります。このような異常が生じた場合に早期発見することも大切です。主治医を作り定期的な検査を受けることと、それと同時に自身でもメタボリックシンドロームについての理解を深め、食事の工夫を含めたセルフケアを行っていくことが、他の病気にも増して重要になります。

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