すいみんそうこうたいしょうこうぐん
睡眠相後退症候群
深夜にならないと寝付く事が出来ず、朝に起きる事が難しくなる病気
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最終更新: 2020.11.24
睡眠相後退症候群の基礎知識
POINT 睡眠相後退症候群とは
就寝時間が極端に遅く、そのため起床時間も遅くなる病気です。いわゆる昼夜が逆転したような生活リズムになります。10歳代から20歳代に多いとされており、うつ病などの精神疾患を併発しやすいと考えられています。生活リズムの乱れにより、日中の眠気やだるさなどの症状が現れ、学校生活や会社勤務に支障が現れます。診断には睡眠を記録する睡眠日誌を用います。高照度光療法(朝に強い光を浴びる方法)や時間療法(入眠する時間を少しずつ早める)などの治療が行われます。睡眠相後退症候群を予防するには規則正しい生活や就寝前の刺激の回避(パソコンやスマートフォンを見ない)などが重要です。 睡眠相後退症候群が疑わしい場合は、睡眠外来や内科を受診してください。
睡眠相後退症候群について
- 深夜にならないと寝付く事が出来ず、朝に起きる事が難しくなる病気
- 昼夜逆転の生活など、ヒトに備わっている24時間周期の体内のリズムが遅れることで生じる
- 人口200-1000人に1人に
発症 する- 10-20歳代に多い
- うつ病などの精神疾患を併発しやすい
睡眠相後退症候群の症状
- 深夜にならないと寝付く事が出来ない
- 朝に起きる事が出来ない(お昼近くや午後になるまで起きない)
- 日中の眠気
- 身体のだるさ(
倦怠感 ) - 朝に起きる事が出来ないため、登校や出勤が難しくなる
睡眠相後退症候群の検査・診断
- 睡眠日誌、アクチグラフ:入眠、起床時間を調べる
- 記載することで治療効果が見られるため重要である
頭部MRI 検査:脳に器質的な障害がないか調べる
睡眠相後退症候群の治療法
- 主な治療
- 高照度光療法:朝に強い光を浴びる方法
- 時間療法:徐々に入眠する時間を早めて、望ましい時間帯で固定する方法
- 薬物療法
- どうにも調整できない場合、睡眠のリズムに合わせた環境調整をすることもある
- 学生なら定時制、社会人なら夜間業務など
- 予防
- 規則正しい生活
- 就寝前に、パソコンやスマートフォンの画面を光を見ない
- 治療により身につけた睡眠リズムを維持する