◆認知行動療法と第2世代抗うつ薬の効果を比較
抗うつ薬は、開発された年代により、現在のところ第1世代(最も古い)から第4世代(最も新しい)まで分類されています。その中でも第2世代抗うつ薬は、第1世代よりも副作用が少ないと言われており、現在も使われている薬です。 一方、認知行動療法は、自分の認識や考え方、行動を変えながら精神面での調子を整えていくための治療法です。
今回の研究では、過去の14の研究をまとめ、認知行動療法と第2世代抗うつ薬の効果を比較しました。
◆認知行動療法と第2世代抗うつ薬は同等の効果
以下の結果が得られました。
メタ分析により、第2世代抗うつ薬と認知行動療法間で、治療応答(リスク比0.91、95%信頼区間0.77-1.07)、寛解(リスク比0.98、95%信頼区間0.73-1.32)、または17項目のHamilton Rating Scaleのうつ症状スコア(重み付け平均の差-0.38、95%信頼区間-2.87から2.10)への効果に統計的に有意な差はなかった。
認知行動療法と第2世代抗うつ薬の治療効果に差は見られませんでした。また、副作用にも差はないという結果でした。
認知行動療法も第2世代の抗うつ薬も治療として行われるものです。どちらが良いかはその人によって異なるため、生活との関わりなどを考えて選ぶことができます。
執筆者
Comparative benefits and harms of second generation antidepressants and cognitive behavioral therapies in initial treatment of major depressive disorder: systematic review and meta-analysis.
BMJ. 2015 Dec 8
[PMID: 26645251]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。