2015.11.21 | ニュース

うつ状態と躁状態を繰り返す双極性障害に、カリプラジンは有効か?

ランダム化比較試験により検証

from The American journal of psychiatry

うつ状態と躁状態を繰り返す双極性障害に、カリプラジンは有効か? の写真

うつ症状と躁症状を繰り返す双極性障害は、治療に難渋することがあります。今回の研究では、治療薬のひとつであるカリプラジンをどの程度飲むことで効果が得られるか検証しました。

◆カリプラジンを3種類の用量で飲む群と偽薬群の計4群にランダムに振り分け

双極性障害の治療薬として、リチウムや、オランザピンといったものが知られています。今回の研究では、これらの薬と作用のメカニズムが異なる、カリプラジンが使われました。

今回の研究では、開始時点でうつ症状が現れている1型双極性障害の患者571人を、カリプラジンを1日0.75mg、1.5mg、3.0mg飲む群と偽薬群にランダムに分け、効果を比較しました。

 

◆カリプラジンは1日1.5mg飲むと良いかもしれない

以下の結果が得られました。

カリプラジン1日1.5mgを飲んだ群では、ベースラインから6週時点で、偽薬群と比較してMADRSの合計スコアの変化が有意により大きく改善した。

最小二乗平均差は-4.0(95%信頼区間-6.3から-1.6、多重比較で調整後に有意)であった。

カリプラジンを1日1.5mg飲んだ群で、より双極性障害のうつ症状が改善したという結果でした。その他の用量では、プラセボ群と大きな差は見られませんでした。

 

双極性障害の治療薬はいくつか発明されていますが、躁・うつを繰り返す原因により有効な薬が発見されることを願います。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

An 8-Week Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Evaluation of the Safety and Efficacy of Cariprazine in Patients With Bipolar I Depression.

Am J Psychiatry. 2015 Nov 6

[PMID: 26541814]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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