◆カリプラジンを3種類の用量で飲む群と偽薬群の計4群にランダムに振り分け
双極性障害の治療薬として、リチウムや、オランザピンといったものが知られています。今回の研究では、これらの薬と作用のメカニズムが異なる、カリプラジンが使われました。
今回の研究では、開始時点でうつ症状が現れている1型双極性障害の患者571人を、カリプラジンを1日0.75mg、1.5mg、3.0mg飲む群と偽薬群にランダムに分け、効果を比較しました。
◆カリプラジンは1日1.5mg飲むと良いかもしれない
以下の結果が得られました。
カリプラジン1日1.5mgを飲んだ群では、ベースラインから6週時点で、偽薬群と比較してMADRSの合計スコアの変化が有意により大きく改善した。
最小二乗平均差は-4.0(95%信頼区間-6.3から-1.6、多重比較で調整後に有意)であった。
カリプラジンを1日1.5mg飲んだ群で、より双極性障害のうつ症状が改善したという結果でした。その他の用量では、プラセボ群と大きな差は見られませんでした。
双極性障害の治療薬はいくつか発明されていますが、躁・うつを繰り返す原因により有効な薬が発見されることを願います。
執筆者
An 8-Week Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Evaluation of the Safety and Efficacy of Cariprazine in Patients With Bipolar I Depression.
Am J Psychiatry. 2015 Nov 6
[PMID: 26541814]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。