2015.11.22 | ニュース

脳を刺激して食欲セーブ、ダイエットに有効な新技術とは!

クロスオーバーランダム化比較試験により検証

from Obesity (Silver Spring, Md.)

脳を刺激して食欲セーブ、ダイエットに有効な新技術とは! の写真

体重を減らすには、食事を減らすか、運動をするかといったいくつかの選択肢がありますが、いずれも継続が難しいものです。今回の研究では、ダイエットに有効な新しい技術を報告しました。

◆頭に電気刺激を行うと食欲減退?

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は脳を頭蓋骨の外から刺激する手法です。陽極を置いた下の脳活動は促進され、陰極を置いた下の脳活動は抑制されると言われています。

今回は、体重が平均90kgを超える肥満患者9人を対象に2つの研究を実施しました。 一つ目は、体重を維持する食事を5日間続け、その後3日間連続で陰極のtDCSまたは偽刺激を行い、運ばれてくる食事を自由に食べるという研究でした。 二つ目は、一つ目の研究と同様のことを、陽極のtDCSで行いました。

 

◆tDCSで食欲を抑制し、ダイエット

以下の結果が得られました。

対象者は、陽極のtDCSを行っている間、陰極のtDCSを行っている時よりも、1日あたりのカロリー摂取量が減る傾向にあり(p=0.07)、清涼飲料水(p=0.02)と脂肪(p=0.03)によるカロリーは有意に減少し、体重が減少した割合も大きかった(p=0.009)。

頭に電気刺激を行うと、食欲をある程度抑制し、体重が減るという結果でした。

 

食欲を抑えられない理由のひとつに、前頭葉のなかでも前頭前野と呼ばれる部位の活動が低いことが言われています。今回の研究では、そこに刺激を行い、その部位の活動を高めることで効果が見られたという結果でした。食事や運動に加えて、このような方法が選択肢のひとつとして加わる日も来るかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Neuromodulation targeted to the prefrontal cortex induces changes in energy intake and weight loss in obesity.

Obesity (Silver Spring). 2015 Nov

[PMID: 26530931]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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