2015.11.20 | ニュース

脳卒中後のうつ症状には感情をうまく出せないことが関係している

台湾の研究チームが285人を分析

from The Journal of nervous and mental disease

脳卒中後のうつ症状には感情をうまく出せないことが関係している の写真

脳卒中では、発症後にうつ症状(脳卒中後うつ)が見られることがあります。今回の研究では、脳卒中後うつと、感情を自覚することが難しくなる失感情症の関連を検証しました。

◆脳卒中後うつと失感情症の関連性を検証

脳卒中後うつがあると、回復の遅延につながることが報告されています。一方、失感情症は、自分の感情を理解することが難しく、さらに感情を理解しても言葉にするのが難しい状態です。

今回の研究では、脳卒中患者285人を対象に、脳卒中後うつと失感情症の関連性を検証しました。

 

◆脳卒中後うつの発症には失感情症が関連

以下の結果が得られました。

多変量回帰分析によって、脳卒中後うつの発症率はBeck Anxiety Inventory、NIHSS、the Toronto Alexithymia Scale-20がより高いことと有意に関連していた。

脳卒中後うつの発症には、不安症状、身体機能、失感情症、が関連しているという結果でした。

 

脳卒中後うつの発症と失感情症の関連にどのようなメカニズムがあるかは不明ですが、脳の一部がダメージを受けたことによって、両方に関係する変化が起こるのかもしれません。これらの症状と、ダメージを受けた場所に関係があるとすれば、今後治療法の確立に役立つかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

The Role of Alexithymia in the Incidence of Poststroke Depression.

J Nerv Ment Dis. 2015 Oct 30

[PMID: 26524518]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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