◆テレビの視聴時間と死亡率の関連性を検証
今回の研究では、アメリカの健康調査に参加した50歳から71歳の健康な221,426人(BMI平均26.7kg/m2)を対象に、テレビの視聴時間と死亡率の関連性を追跡調査により検証しました。
◆テレビの視聴時間を1日2時間増やすと様々な病気で死亡リスクが増大
以下の結果が得られました。
平均追跡期間14.1年で、TVの視聴時間が1日2時間増えた時の調整済み死亡リスクは、以下の原因による死亡で有意に高かった(ハザード比、95%信頼区間)。がん(1.07、1.03-1.11)、心臓病(1.23、1.17-1.29)、慢性閉塞性肺疾患(1.28、1.14-1.43)、糖尿病(1.56、1.33-1.83)、インフルエンザ/肺炎(1.24、1.02-1.50)、パーキンソン病(1.35、1.11-1.65)、肝臓病(1.33、1.05-1.67)、自殺(1.43、1.10-1.85)。
テレビを見る時間が1日あたり2時間増えると、様々な病気による死亡リスクが高くなるという結果でした。そのリスクは、自殺では1.43倍、パーキンソン病では1.35倍でした。
テレビの視聴時間と様々な病気による死亡リスクの間に、直接的な関連性があるかは不明です。しかし、テレビを見過ぎることで運動不足になったり、他者との交流がなくなったり、といったことを背景に関連する可能性はありますので、このような研究結果があることも頭の隅に置いておいても良いかもしれません。
執筆者
Causes of Death Associated With Prolonged TV Viewing: NIH-AARP Diet and Health Study.
Am J Prev Med. 2015 Jul 24
[PMID: 26215832]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。